2015年3月アーカイブ

香港での研究発表

 歴史学科の三宅です。3月に香港中文大学で、研究発表を行ってきました。今回の発表は香港中文大学中国文化研究所中国考古芸術研究中心の鄧聡先生にご招待いただきました。鄧先生とは大変に古いつきあいで、私が大学3年生だった1988年に香港ランタオ島東湾遺跡での発掘に参加して以来、25年以上もお世話になっています。

 香港中文大学は学生数2万人を超える大きな大学で、香港の新界にあります。山一つが全部大学で、学内をバスが循環しているというスケールの大きさ。今回の発表は中国考古芸術研究中心と歴史系との合同開催でした。私は東アジアから出土する銭貨を手がかりに、中近世の地域を越えた貨幣の動きを解明することを試みました。発表は中国語の普通語(北京語)だったので、内容がうまく伝えられたか心許ないのですが、発表後は活発な議論が見られ、私も勉強させていただきました。

 発表が済んでほっと一息。香港島にある有名な飲茶のお店「陸羽茶室」で、香り豊かな鉄観音茶とたくさんの点心に舌鼓を打ちました。次回は学生の皆さんと、香港のフィールドワークや中文大学の見学に行けたらなあ、と思いました。

ラオスのジャール平原

 歴史学科の三宅です。2月にラオス人民民主共和国(以下ラオス)へ調査に行ってきました。今回はラオスの銭貨流通を探るのが目的でしたが、合わせて周辺の遺跡も見学しました。今回はシェンクワン地方のジャール平原にある遺跡群を紹介します。

ジャール平原には、不思議な石の壺が地表に大量に見られます。直径1~2mほどで、高さは1.5~2mほど。数百個が密集して存在し、シェンクワン地方には複数の遺跡群が確認されています。これらは2000年ほど前の墓地で、壺は石棺と考えられています。

 

 

 

 

 

 

 

ところで、この遺跡では見学路に沿って、白と緑に塗られた標識が至る所に埋め込まれています。これが何だかわかりますか?実は不発弾処理が終了した場所と、まだ終わっていない場所を区別する標識なのです。

 

1960年代~70年代に、ベトナム戦争の激化と共産主義勢力からラオス王政を守るためなどの目的で、シェンクワン地方にはアメリカ軍により大量の爆弾が投下されました。そのため、遺跡の周りにもたくさんの不発弾が埋まっていて、今も処理がほとんどされていません。遺跡の見学路の脇には今も多くの爆弾のクレーターが残っており、見学路を外れると危険であることを物語っています。

 

 

 シェンクワンのお土産屋には、不発弾から取り出したアルミで作ったスプーンなどが売られていました。負の遺産を観光客に教えると同時に、記念にお土産を買ってもらおうというたくましさも感じました。私もスプーンを買いました。研究室にありますので、興味のある方はどうぞ見に来てください。

大学は現在春期休暇中ですが、すでに次年度へ向けての準備が始まっています。

人文学部では平成27年度入学予定者の「新入生セミナー」が3月7日(土)に実施されました。

今回はこの「新入生セミナー」の歴史学科の様子についてお伝えします。

 

当日は人文学部全体で、まず「大学での学び方」や「在学生からのメッセージ」で、入学後のイメージをつかんだあと、それぞれの学科ごとにセミナーを開始。

歴史学科では、教員紹介に引き続いて、全体で輪になって自己紹介をしました。内容は自分の名前と「タイムマシーンがあったら行ってみたい時代」。

それぞれが現時点でどのような時代や地域に興味をもっているのかについて1分程度で話していきます。

戦後期時代や江戸時代、平安時代に興味をもつ学生が多くいましたが、なかには「ジュラシックパークの世界を見たいのでジュラ紀に行ってみたい!」と話す学生も。

場の雰囲気が一気に和みます。

 

次に合格が決まってから課題として続けてきた「新聞学習」の確認へ。

6名ごとのグループになって、自分がこれまで興味をもった新聞記事について、その内容を報告します。

 

「南海トラフ地震」や「選挙権18歳から」、「ラインをはじめとするSNS利用の明と暗」など、現在の社会を象徴するような記事内容が出揃いました。

そして今度はその内容をグループごとに集約し、グループの代表者が全体の前で報告

初めての顔合わせで緊張した表情を浮かべていましたが、それでもしっかりとやり遂げていました。

 

歴史学を学ぼうとする学生のみなさんにとって、現代への関心は何より重要です。この新聞学習を継続するようにとの指示が最後にあって、このセミナーは修了。

4月から新入生にみなさんにお会いできることを楽しみにしています!!

(写真:人文学部歴史学科1年 竹内美里)

2015年1月、「編集文化研究Ⅰ」最後の授業で、「企画コンテスト」と「レイアウトコンテスト」が開かれました。

 

 「編集文化研究Ⅰ」とは、1年次で【編集】について初めて学ぶ入門講座。前年9月に始まった授業前半では、企画の立て方を学びました。「読者のニーズを把握する」「仮説をもって情報を集めて検証する」「発想を広げる」「企画の種を集める」「テーマと切り口を考える」……授業は、講義と学生チームによる編集会議の二本立て。回を重ねるにつれ「編集ってこんなに大変なんですか、気が遠くなってきました~」と、学生から悲鳴にも似た声が上がるようになりました。

 

 そのとおり。編集は、ただ楽しいだけではありません。大変だけど楽しい、大変だから楽しいのです。新しいものを生み出すには、閃きだけではなく、膨大な汗も必要です。でも、持つべき視点は、学びを通して身につけることができます。『科学と方法』のなかでアンリ・ポアンカレは「これまで無関係と思われていたものに関係があることを発見するのが美的直観」と述べていますが、編集にもこうしたセンスが必要です。

                       

 

 こうした考え方を学びながら、学生チームが議論したのは「淑徳マガジンの企画」です。自分たち学生が知りたいこと、不安に思っていることは何か。チームに分かれての編集会議では「1000円で空き時間をENJOY!」「みんなに教えたくない私の恋愛必勝法」「一人暮らしのmini努力でプチ贅沢」といった企画案に絞られました。

 

 授業後半では、班ごとのテーマを各自が取材し、見開き2ページのレイアウトを完成させました。プロのデザイナーの先生に来ていただき、生まれて初めて触わるデザインソフト「イン・デザイン」と格闘しながら、それぞれ驚くようなデザインを完成させました。コンテスト受賞者の作品は、写真をご覧のとおりです。

 

 もうひとつのコンテストは、同じく淑徳マガジンの「企画案」です。各自20本の案を提出。その中から、学生投票により次の7本が選ばれました。

◇学生のコンビニ派閥

◇サークル充実してる?放課後のアスリートたちの顔

◇SNSは人を蝕む(ネット依存)

◇今どきの若者があげる友人への誕生日プレゼント・サプライズ特集

◇意外と知らない!ファーストフードのわがままオーダー!

◇不幸だと思う人にはポジティブ思考が多い

◇学生割引の上手な使い方

◇高収入!好条件! 大学生オススメアルバイト~in池袋編~

 

 学生選出の案に加えて、「野村選」で「大特集」案を2本追加。

◇これに決定!~人文学部的マンガ大賞2014~

◇あなたのお金の使い方間違っていませんか?今知りたいお金の正しい活用術。

 

 さらに、きらりと光る切り口の「小企画」向きの案を「野村選」で3本加えました。

◇いわゆる「ブラック」といわれる企業でのバイトは本当にブラックなのか?

◇便所メシのメリット

◇ラーメン屋の漫画はなぜ面白いものが多いのか

 

 それぞれに、企画の意図を語ってもらうと、ふむふむナルホド。学生たちは「自分にはない発想だ」と、おおいに刺激を受けたようです。

 

 今回提出された企画案は、計660本! 学生マガジン1年分の企画が組めそうな粒ぞろいです。最後の授業は、受講生の半年間の成長ぶりが感じられるコンテストとなりました。

  (表現学科教授 野村浩子)