2015年8月アーカイブ

2年前期の「編集文化研究Ⅳ(出版の技法)」では、書籍・雑誌が如何に企画され、そして流通するのか、電子書籍の登場で出版業界はどう変わろうとしているのか、出版の基礎知識を学びました。

 

 15回の授業を終えて、学生たちにとって特に印象的だったのが、ベストセラーを編み出した編集者の視点を学び、その後各自が「出版企画書」を作成して発表したことです。

 

 昨年のベストセラー・ベスト10に入った書籍を手掛けた編集者お三方に、担当教員である野村がインタビューをして、その内容を授業の中で余さず伝えました。「書籍の原稿は、その読者がいる“場所”で読む。ビジネス書ならオフィス街で、健康書なら病院で」「この本のタイトル案は1000本出した」といったエピソードから編集の要諦まで伝授していただきました。「編集者とは何か、本当の意味で理解していなかった。一言も聞き洩らさないよう授業を受けていた」という男子学生もいれば、「(書籍を作りこむ思いの深さに)感動して涙が出そうになった」という女子学生も。

 

 辣腕編集者の発想法から多くを学んだ学生たちは、今度はそれぞれが「出版企画書」の作成に取り組み、さらにはプレゼンテーションに挑みました。「想定する著者は、福澤諭吉です」「えっ?!どうするの」と企画案を互いに掘り下げるなか、「そんな本があったら僕も買いたい」といった「いいね!」発言も飛び出しました。

 

 もうひとつ、学生たちにとって印象深かったのが、カメラマンの善本喜一郎先生をお迎えしての特別講義です。雑誌『BRUTUS』での撮影や広告写真などで活躍されてきた善本先生がカメラマンになる決意をしたのは、世界に知られる写真家、荒木経惟さんとの出会いだったとか。その後、自ら出版社に電話をかけてチャンスをつかんだ体験談を語って下さいました。「写真は、撮る前が大切。(撮られる)相手との関係性をいかに築くか、相手が心地よくなるような状態をつくることが大事です」という言葉に、学生から「ほうっ」と声がもれました。話はさらに人生論にまで及び、善本先生の温かな人柄に魅せられた学生が、授業終了後に助言を求めて列をなしました。

 

 このほか、出版の技法の授業では、グループワークも度々行いました。「アマゾンが出版流通に与えた影響は?その功罪は?」「少年Aの書籍出版をどう思う?」といったテーマは特に議論が盛り上がりました。自分にはなかった視点を学び、さらに同年代の仲間から、いい刺激を受けたようです。

 

          
 アマゾンが書籍流通に与える影響、その功罪についてグループ討議

カメラマンの善本喜一郎先生におこし頂いての特別講義に学生はおおいに刺激を受けた

        
 学生が完成させた出版企画書。書籍の内容、タイトル、著者をそれぞれ考えた  出版企画案を、全員が発表。質疑応答も盛り上がった

 

 

(編集表現コース担当教授 野村浩子)

前学期の授業を振り返っておきましょう。表現学科放送表現コース担当の私は2つの授業を担当しました。

 一つ目の授業のテーマは『話す』はじめ学生たちは、「いつも話しているから今更、何か問題あるの」という感じでした。

 しかし、自分の言葉を口から発した時に「ちゃんと誰もが理解できる音」になっていません。そこで前半は発声発音の基本を行い「音」を磨きました。さあ「声の下地」が出来ました。

 

まず講談師で人間国宝「一龍齋貞水」さんの「心を揺さぶる語り方」をテキストに「思いやりとしての話術」を学びました。話術の基本は「らしくしなさい。ぶるんじゃない。」カッコウ付けずに自分らしさをどう出すか。話しは聞いてくれる人と一緒に作っていくもの。情景をデッサンする想像力に、言葉は自然とついてくることなどビデオを見たり、実技を行って学びました。

 次に音楽を聴いてイメージを発展させストーリーを作ってみんなの前で発表。ドキドキしました。テレビで撮って再生しながら「自分らしさは何か」を確認。最後に発表してもらった「私の大切なモノ」のスピーチでは、試行錯誤しながらもみんな前向きにチャレンジしていました。

 

 もう一つの授業は『文章を読む』こちらもやはり「言葉の滑舌・発声の基本が大事」だから前半はやはり声を鍛えました。

その後からは、「大岡信のエッセイ」「金子みすずの詩」「芥川龍之介の杜子春」「城山三郎のエッセイ」「堀辰雄のエッセイ」「寺田寅彦のエッセイ」「椋鳩十の小説」など、多彩な分野、状況の違いをどう読んでいくか。考えながらみんなで意見を出し合いながら読みました。

 

みんなの前で読む。他の学生の読み方、表現の仕方、間の取り方、ムード作りなどなど大変勉強になります。「学ぶはまねるから来ている言葉だそうです。」

 

そして何より「誰に向かって読むのか」が大事です。「何故読むのか」「読むことで何を伝えたいか」誰でも「音」は口から出て来ますが、本当に相手の心に「ドラマ」をイメージさせる読み、声になっているかどうか。

 

読むことで一番大事なことは「実は読まないこと、つまり間・ポーズだ」という人もいます。これをどこまで感じてくれたか。それでは「間・ポーズ」とは何か。大きなテーマです。次の授業でまた皆さんと一緒にやっていきましょう。

 

  

  

  
 スタジオでビデオ撮影後、講評  文章を理解し、真剣に読んでいく 教室で一人ひとりが文章を読んだ後、講評


放送表現コース担当  松永二三男

拓本で遊ぼう!

淑徳大学の人文学部は去年から始まった新しい学部です。歴史学科では、東京キャンパスのある前野町の皆さんに、歴史学科の存在を広く知っていただきたいと願っています。そのための試みとして、近くの小学校に声をかけ、夏休みに拓本教室を開きました。名付けて「拓本で遊ぼう!」です。

拓本は考古資料を調査する方法の一つです。今回は縄文土器の拓本をとってみることにしました。この拓本教室は、考古学研究会と教職サークル「師道塾」とのコラボで、学生が主体となって事前準備から行いました。縄文時代の生活を調べたり、土器に模様をつける縄を作ってみることから始まり、拓本の練習をして手順をパネルにまとめたり、説明用のパンフレットを作ったりと大忙し。でもその甲斐あってパネル、パンフとも力作ができあがりました。前日にはリハーサルも行い、準備万端整いました。あとは当日を迎えるだけ(ドキドキ)。

当日は前野小学校の生徒さんが来てくださいました。まずは縄文時代の生活を分かりやすく説明します。それから縄を粘土に押しつけて、縄文土器の模様の付け方を体験しました。そしていよいよ実際に縄文土器の拓本をとります。学生から拓本の説明を受けて、小学生のみなさんも真剣に取り組みました。とても上手にできましたよ。「縄で模様をつけていると知って、よく考えたなと思った」「紙が破けないかとドキドキしたけれど、うまくできて良かった」など、感想をよせてくれました。ありがとうございました。

拓本教室は初めての試みでしたが、無事に終えることができました。学生のみなさん、お疲れ様でした。来年も頑張りましょう。