2012年12月アーカイブ

第5回の企業経営研究I(平成24年11月28日)の講義テーマは「中小企業の海外進出と技術移転」でした。講師の方は、富士ビジネスサポート株式会社の代表取締役横瀬三亀夫氏です。講義の内容は、横瀬氏が経験された「企業のグローバル化の実際」「日本企業の生き残る方策」でした。最後には「学生に向けてのメッセージ」をいただきました。概要は以下のとおりです。

 今年の6月まで、リズム時計工業のグループ企業である東北リズム社長を務めていましたので、その際に経験したことを踏まえてお話しします。

 

 

 

 

 

 

企業のグローバル化の実際

 リズム時計工業はシチズングループの一員で、その中でも東北リズムではクロックを製造していました。しかし、現在では、日本でクロックは製造していません。そのほとんどを中国で生産しています。最近は時計の仕事では食べていけません。携帯電話のカメラのレンズに関係した部品を生産しています。これは時計で養った精密機械を生産する技術を生かして部品を生産しています。

 私は銀行からリズム時計工業に入社しましたが、一番驚いたことは、埼玉から横浜に行く感覚で海外の工場に行くことです。製造ラインのトラブルへの対応は翌朝の朝一番の飛行機に乗って現地に行き修正します。そのため、工場で働く職人の方も全員パスポートを持っています。

 企業は世界中のどこで儲けても良く、日本で儲からなくなればアメリカやヨーロッパに進出します。進出する国が経済成長しているか、マーケットが大きければ良いのです。つまり、マーケットの成長を自分の企業の成長に取り込むために海外進出します。例えば、10年前には、中国への進出は、製品を安く作るための生産拠点として賃金が安いことを理由に行われてきました。しかし、現在では、賃金が上がり、ベトナムやインドネシアへ生産拠点は逃げています。また、現在は、東日本大震災の影響で電気代が上昇し、さらに、円高です。そのため、日本の製品が売れなくなっています。企業経営では、為替相場が円高になると、製品の価格が上昇するので、日本では製品を作ることができなくなり、海外に進出するしかありません。

 

 

 

 

 

 

日本企業が生き残る方策

 技術流出にはいくつかのレベルがあります。ベトナムに進出した場合には、工場に材料や部品を納品する協力会社が必要になります。その協力会社に技術支援をすると、しばらく後に日本のライバル企業になります。この技術流出は止まりません。問題となっていることは別のことです。国内企業の技術者がリストラに合うとサムスン等に行き、その企業の技術の底上げをします。技術は人間が持っているので、人間が居なくなると企業に技術がなくなります。技術が海外に流出すると国内の下請中小企業仕事がなくなります。そのためにはどうしたらよいかは簡単で、海外の人に負けないほど勉強するしかありません。海外に依存せずに仕事ができるようになるしかありません。

 

 

 

 

 

 

学生に向けてのメッセージ

 自分は銀行に就職し、その銀行は二度合併をし、リストラも経験しました。大企業であっても安定はしていません。最後は個人、自分の個性で、自己実現や社会貢献することが重要です。産業構造が変化する中で自分の力で何かを成し遂げる気概を持つことが重要です。学生時代には、是非、英語だけは勉強して下さい。ビジネスの世界で使う英語は別です。難しい英語ではなく、海外に行きコミュニケーションできる英語が重要です。そして、日本の文化といった、海外に行って話す内容のことを大学時代に勉強しておくことです。高校卒の工員でも、一人で空港に行きホテルにチェックインすると言う英語のために、会社で英語の時間を儲けています。

今日(平成24年11月21日)は、経営学科全員でDNP大日本印刷㈱住空間マテリアル事業部の工場見学です。

8時30分:大学スクールバス乗降場前に集合。スクールバス2台に分乗して出発です。

 

 

 

9:00~    DNP大日本印刷㈱の概要について説明を受けました。

9:50~10:30 3つのグループに分かれて、工場内を見学しました。

 

 

 

 

10:30~10:45  質疑応答 

 

 

 

 

 

 

 

 

11:00 みんなで記念撮影したあと、大学まで歩いて帰りました。

大日本印刷㈱の工場長高橋様をはじめ、技術・開発のみなさん、総務部のみなさん、現場のみなさん、ありがとうございました。 

 

第4回目の企業経営研究Ⅰ(平成24年11月14日)の講義テーマは中堅・中小企業で働くことについてでした。お話くださったのは、三州製菓㈱代表取締役社長斉之平伸一氏です。講義資料「大企業を退職して家業を引き継ぐ」によってお話がすすめられました。

斉之平社長は、大学卒業後は大手企業にお勤めになり、その後、三州製菓にお勤めになられました。そのご経験から、大企業と中堅・中小企業で働くことの違いについてお話をうかがいました。

大企業での仕事は、専門性はいかされるが、全体の中のほんの一部しかまかされず、組織の歯車として働くことになる。他方、中堅・中小企業は、会社全体の仕事をまかされることになる。また、社長との距離も大企業では遠いが、中堅・中小企業では近い、などご経験を交えてお話くださり、中堅・中小企業でのやりがいについて重要なお話をお伺いしました。

さらに、会社に勤めて成長し成功するためには、20代にすべきこととしての10か条というお話がありました。とくに自分は、人間対応力を高めることと、英語・パソコンの勉強に頑張ろうと思いました。また、相手の弱点・欠点を指摘せず、ギブは70%でテイクを30%とする。そうすれば自分もよくなるし相手もよくなる。こうした態度・行動をとれるようにすることが大事ですというお話もありました。

渋沢栄一、松下幸之助、P.Fドラッカーの本を読んでくださいというお話もありました。

2012年、三州製菓は、「埼玉県における働きがいのある会社」最優秀賞を受賞されているそうです。また、埼玉版ウーマノミクスも推進していて、女性の活躍の場、働きがいのある職場を提供しているということです。