2012年5月アーカイブ

 

川瀬良美プロフィール



☆神奈川県生まれ。

☆日本女子大学大学院博士後期課程修了(博士学術)。

☆専門は発達心理学および発達臨床心理学。

☆現在、淑徳大学総合福祉学部で「発達心理学概論」「女性発達心理学」など教鞭とる傍ら、大学院で臨床心理士養成に関わる。また、臨床心理士として、不登校児童生徒の保護者支援、子育て相談、発達相談などを行っています。

☆著書 『児童の内発的達成動機づけについての心理学的考察』(単著)、『月経の研究-  女性発達心理学の立場から』(単著)『月経らくらく講座』(分担執筆)など。

 

 

著書1 『児童の内発的達成動機づけについての心理学的考察』

 

 

 

著書2 『月経の研究-  女性発達心理学の立場から』

 

 

 

 

著書3 『月経らくらく講座』

 

 

 

 

 

川瀬ゼミの紹介

 

☆ゼミでの活動

 

 大乗淑徳大学山中湖研修所にて合宿を行います。23日でみっちりと論文作成について中間発表をします。学部の3年生と4年生、大学院の修士課程1年生と2年生、また博士課程の学生も加えて、有意義で楽しい交流の時間となります。

 この研修所は、平成23年度をもって閉鎖されてしまったのは残念でした。

 

 

 

     山中湖研修センターの庭

 

 

 

 

 

 熱心に勉強をするゼミのメンバー

 

 

 

 

       研修所での朝食

 

 

 

 

 

☆ゼミの卒業文集

 

 川瀬ゼミでは、卒業する4年生へ記念品として、3年生が文集を作って贈ります。その文集に、川瀬は大好きな「茨木のり子」さんの詩を添えて、毎年このような内容のメッセージを送り続けています。

 

好きな詩

 

 「自分の感受性くらい」 

                             茨木 のり子 作

 ぱさぱさに乾いてゆく心を

 ひとのせいにはするな

 みずから水やりを怠っておいて

    

 気難しくなってきたのを

 友人のせいにはするな

 しなやかさをうしなったのはどちらなのか

 

 苛立つのを

 近親のせいにはするな

 なにもかも下手だったのはわたくし

       

 初心消えかかるのを

 暮らしのせいにはするな

 そもそもが ひよわな志にすぎなかった

                                            

 駄目なことの一切を

 時代のせいにはするな

 わずかに光る尊厳の放棄

 

 自分の感受性くらい

 自分で守れ

 ばかものよ

 

 詩集 『自分の感受性くらい』(花神社) 1977年

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平成23年度 日本発達心理学会での発表要旨から、近年の月経問題への川瀬の視点を読み取ることができる

 

題目 「女性の健康な発達はどうあるべきか-月経とライフスタイルの関係からの検討-」

発表者 川瀬 良美(淑徳大学)

 

発達の定義が生涯発達の概念でとらえられるようになって、発達とは前進的に増大する変化のみではなく、後退的に衰退する変化も含まれるようになった。これまでの発達段階の区分では、身体発達において性別の相違があることが明らかにされており、身体発達においては女児の成熟が男児に比較して早いが、それも青年期には差が無くなるとされる。発達における性差を社会的な視点からみるとジェンダー問題ということになるが、そこで期待される発達はジェンダー化されたアイデンティティの獲得といえよう。時代の変遷の中で、女性の社会的役割、自己実現のあり方が変化しているとはいえ、大きな枠組みとしての社会制度が変わらない中で、女性の葛藤は依然として存在している。

 

伝統的な女性の性役割としてあげられるのが出産と育児である。出産と育児だけが役割とされた時代は去ったが、中でも出産の役割は機能的に女性のみが担わざるをえない。身体生理的な機能としての生殖に関わる役割は、身体的に健康な発達をとげていることが前提となり、機能として成熟している限定的な期間という制約がある。その結果、この制約は女性の自己実現において、ライフスタイルを決定する重要な要因となる。

 

伝統的な性役割において、女性の重要な役割であった出産という生殖行動を、生殖年齢期間中でも人生設計によって止めてしまうことは「静かな革命」(荻野、1994)と呼ばれるほど画期的なことであったが、出産と育児に疲弊する女性の健康においては福音をもたらしたといえる。一方で、変わらない社会認識の下では、産まない自由はそれほど女性を解放した訳ではなく、対外受精などの生殖医療技術による新たな展開が、女性の自由なライフスタイルを制約するという影響をもたらしている。

 

このような問題意識とは別に、発達における生殖機能の成熟と社会生活における生殖行動との乖離が、女性の健康を蝕む原因になっていると指摘されている。思春期を経て青年期には排卵を伴う成熟した月経周期となり、実質的に生殖可能な年齢となる。その後、妊娠することが無ければ、月経を繰り返すことになる。この月経の繰り返しが長期にわたることによって「医学的障害」をもたらし、その障害としては月経前症候群、周経期症候群、月経痛症そして卵巣癌発症のリスクの増大などが指摘されている。これらの指摘からは、女性の健康な発達とライフスタイルにおいて生殖機能への対処が必要であることを示唆している。

 

女性の発達において、月経の発来と周期的な排卵は女性の健康な身体発達の象徴であると教育されてきた。月経が3周期途絶えた場合には専門機関を受診して、その閉止が長期化しないように指導されている。しかし、月経の医学的障害のための方策として、排卵を抑制することにより月経周期回数を減少させることが有効であると医学の立場からは推奨される。その矛盾した身体へのアプローチは、女性の発達における健康な身体観に影響を与えると考えられる。

 

調査結果によると(川瀬、2009)、月経を抑制することは身体に悪影響を与えるであろうとの認識が強く、月経を健康の象徴として周期的な月経の存在への認識は確固たるものであることが明らかになった。しかし月経の医学的障害を予防するために月経を抑制することが推奨されていることをレクチャーされた後には、「月経は出産時のみあればよい」「月経が無ければ良い」という、月経の存在への否定的な認識が有意に上昇した一方で、「月経は女性の象徴である」「無月経は危機的なできごとである」とする月経の肯定的認識は有意に低下した。

 

本調査の結果では、月経は女性の象徴でありその停止は危機的なこととの認識が強いとはいえ、月経随伴症状を「医学的障害」として認識させる教育は大きな影響があった。この結果から、女性の健康な発達においては、月経とライフスタイルはいかにあるべきかについての認識の変容が必要であり、この観点から月経問題は、さらに検討される必要がある。

 

文 献

川瀬良美 2009 女性発達における月経の意義と月経不要論-大学生の月経に関する認識からの検討- 淑徳大学総合福祉学部研究紀要、4349-69

荻野美穂 1994 生殖の政治学 フェミニズムとバース・コントロール 山川出版

 

 

 

 

 

 

 

 

新入生セミナー 社会福祉学科

2012年4月20日(金)と21日(土)にかけ、新入生セミナーが鴨川で実施されました。

20日午後は社会福祉学科の新入生が集合して、以下のことを行いました。

・簡単な手話を覚えよう

・ノートテイクを経験使用

・平成23年度卒業生からのビデオレター

・千葉キャンパスと先生について、もっと知ろう! 

 

 

 

 

 

 

手話は手話サークル「たんぽぽ」の上級生が、そしてノートテイクは「ノートテイク実行委員」の上級生と、それぞれの先輩方が講師を務めてくれました。

卒業生からのビデオレターは、これからの大学生としての4年間の過ごし方や勉強の仕方などのアドバイスを頂きました。

千葉キャンパスの案内は、新入生セミナーの準備を進めてくれているボランティアの上級生がこれまでの経験を踏まえ、キャンパスの活用法を教えてくれました。

この2日間で、たくさんの同級生、先輩、そして先生方と知り合い、これからの学生生活について考える良い機会となりました。

        

前回、メンタルヘルスリテラシー(生きる力)を保つための姿勢や皆さんへの願いを話しますと予告しました。

メンタルヘルスリテラシーというと眠くなりそうですよね。

分かりやすく、言います。

 

私は大学に入る方へ、伝えたいことがあります。

社会人として生き続けるためには、ハードルがあります。

それに気付いて下さい。

社会に出るまでに自分には課題があることを知って、それを解決して欲しいのです。

 

 

「三猿」ってご存じですか。

修学旅行で行く日光東照宮神厩の彫刻です。

「見ざる・言わざる・聞かざる」をの三猿です。

 

 

 

 

子供の教育とは、子どもが悪い事を見たり、言ったり、聞いたりしないように育てなさいという比喩を字が読めない人でも分かるように彫ったと言われています。

 

でも、この20年、日本の実態は大きく変わったと思います。

 

私があれって思う学生さん達の特徴は「嫌な奴とはつき合わない、嫌なことはしない、嫌なことは考えない」の回避を三猿のようにする人達です。

実は、これは大人になることを回避したまま、大人の社会に特攻をかけるようなまずい生き方だと思います。

 

大学までは、嫌な奴とはつき合わない、嫌なことはしない、嫌なことは考えないというのような回避が出来ます。

でも、社会人になると、回避は使えません。

嫌なお客の相手もしなくてはいけないし、嫌な上司の言うことに従わないといけないし、無理な仕事をしなくてはなりません。

 

 

その時、どうやって生きて行くのでしょうか?

もう、小学校で覚えた回避の方法は効かないのです。

チェンジができないと、我慢するだけです。

働き出して、無理な我慢をすると、3-8年で潰れることになります。

 

 

図のうつ病の年代分布を見て下さい。

 

 

 

 

早い人は20代前半で、遅い人でも30代にはかなりの人が病むことになります。

既に中学や高校で、薬が必要な子どももいます。

 

友だちが持てず、周りに不安を感じ、親しい人が聞くと周りを悪くしか言えないことが特徴です。

それが「回避の三猿」です。

 

 

このことを講義したら、「せめて大学にいる時くらいのんびりさせて欲しい」とリアクションペーパーを出してきた学生がいました。

気持ちは分かるけど、大学まで来たのだから、もう先延ばしは出来ません。

社会人として生き延びる方法を探す場が大学だと知って欲しいのです。 

 

 

答は人それぞれでしょう。

生きることは一人では出来ません。

生きるとは、人と関わって成長していくことです。

新しい仲間を広げることは、単に好きな相手を探すことではありません。

苦手と感じた人や興味のないと思った人とも一緒に居て話をし、知り合ったり、働いたり出来ることです。

そして、その中で自分の想っている自分と他者の目に映る自分の違いに驚きと発見をすることです。

 

 

もう1つ大事なのは、人のいいなりでなく、自分で判断することです。

力を養って下さい。

会社に入ると皆さんのことを使い捨てにして平気な上司がいることがあります。

それは一見、親切という形でもやってきます。

たとえば、大学では文部科学省の指示通りに予習復習をしろと言います。

でも、シラバス通りに1コマあたり3時間の予習復習などをしていたら、サークル活動なんか出来ません。

真面目にやり過ぎて対人経験不足にならないで下さい。

サークル・バイト・ボランティアなどで、他人と関わって下さい。

生の体験を広げることを欲して下さい。

 

それと、人生体験の代わりになる読書をして下さい。

 

そして、皆さん、高校までの自分と違って、自分で判断し、自分を守る新しい自分の物語を語って下さい。

私も語ってます。

 

作家の小川洋子さんが語っているように「生きるとは自分の物語を作ること」です。

そういったことを3・4年のゼミでは一緒にしております。

皆さんの語る自分の物語が卒論です。

ホームページで先輩達の題目をみて下さい。

楽しそうでしょ。

 

 

生きることを愉しむことは大切です。

 

 

 

 

5月12~13日に千葉県の白子町でソフトテニスの春季関東リーグ戦が開催されました。
結果女子7部4勝1敗で優勝、男子10部4勝1敗で準優勝という結果でした。

特に女子は初戦に敗戦するもその後4連勝で見事立て直して優勝いたしました。

男子は初日3連勝しましたが、惜しくも優勝を逃してしまいました。

淑徳大学ソフトテニス部試合風景

自己紹介しますと、小川 恵(おがわ さとし)です。

 

講義は、学部で精神医学・異常心理学・ナラティブ心理学などを担当し、大学院では臨床心理士を目指す学生の実習指導をしております。

 

趣味は××、特技は◯◯です(余り大きな声では言いにくいので伏せ字にしました)。

本当の姿は『小川ゼミ』のホームページを見て下さい。

「百聞は一見にしかず」、目でみる方が早く分かりますよね。

今皆さんがみている大学のホームページですと、「学科紹介」の中で「教育福祉学科」をクリックして「教員・ゼミ紹介」で「ゼミサイト」のボタンを探して下さい。

このサイトは学生(卒業生)達とつくったもので、手作り感、気に入っています。

 

 

私の専門の「精神医学」は高校までは習わない科目です。

イメージ分かりにくいと思います。

強いていうなら保健体育でうっすら触るくらいです。

おそらく、皆さんが大学を卒業する頃には、高校や中学で習う時間が出て来ると思います。

でも、それは遠い話ですよね。

 

 

精神医学を、一言で言えば、困難な時代を生き抜くための方法を考える学問です。

と言っても抽象的ですよね。

そのことを少しみてみます。

 

この図を見て下さい。

  

 

 

 

こういったことを調べ、原因や対策を考えるのが精神医学の基礎分野です。

そして、そこから、様々な心の病(専門用語では「精神障害」と言います)を理解し、ケアについて学びます。

また、心の病にならないですむような暮らし方を考えることが、応用分野です。

ですから、保健教諭・教職、臨床心理士、精神保健福祉士、社会福祉士・介護福祉士、児童福祉司、看護師などを目指す方が主にとる科目とされてきました。

 

 

でも、私は世の中での役割が変わりつつあると思います。

精神医学は、国家資格や専門職を目指す人のための知識ではなくなったと思うのです。

サラリーマンになるなら必要な時代です。

主婦するなら必要な時代です。

もっと言えば、バイトをするつもりなら必要です。

サークルやるなら必要です。

友だち持つなら必要です。

 

 

理由は、今が困難な時代だからです。

私が医師になった頃、うつ病で治療を受けていた人は11万人ほどでした。

つまり、1000人に一人のレアな病気でした。

ところが、2009年には治療を受ける人が100万人を超えました。

現在女性は10人に1人が一生に一度は抗うつ薬を飲む位のうつになります。

だから、自分が生き抜くための方法を考える学問が精神医学の役割だと思います。

これをメンタルヘルスリテラシー(心の健康さを保持する力)と言います。

 

 

 

 

 

ゼミ合宿で困難な未来に思索を深める図

 

 

 

ホントは怖い精神医学の説明をしました。

でも、それを明るく楽しく考えることが大切です。

では次回は、メンタルヘルスリテラシー(生きる力)を保つための姿勢や皆さんへの願いを話します。

 

 

 

   明るく未来に向かう図