本学人文学部歴史学科遠藤ゆり子准教授の著書が刊行されました

  本書は、戦国時代の南奥羽地方をフィールドとして、この地に割拠していた大崎氏・伊達氏・最上氏など戦国大名の領国支配のあり方を研究した労作です。特に興味深いのは、大名間で繰り広げられた外交であり、その中で伊達政宗の母である保春院が果たした役割が「伊達家文書」にもとづいて明らかにされています。

  歴史の研究は、昔の人が書き残した書状などを丹念に読み解くことにより、一つ一つ真実に近づこうとする営みです。本書における研究の結果、他家に入った大名の嫁は、単なる「政略結婚」では片付けることができない、重要な役割を果たしていたことが明らかになりました。一般的に言って、学術書は、難解な内容ですが、本書は歴史研究の本当の醍醐味を教えてくれます。

  戦国時代の研究者にとっては必読の書となるでしょうが、高校の日本史の先生方や歴史学を学ぼうと考えている受験生の皆さんも大きな本屋さんの店頭で見かけたら、一度は手にとっていただきたいと願っています。

 

歴史学科長・教授 森田喜久男