【withコロナの観光】vol.3 古来より伝わる幸せの猪目・京都正寿院

淑徳大学 経営学部 観光経営学科「観光とメディア」ゼミではwithコロナの時代、利他共生の観光のあり方を学生たちが模索しています。

コロナ禍に見舞われた観光地や地域を応援したい! 第3弾は、京都・宇治田原(うじたわら)です。

 

【古来より伝わる幸せの猪目・京都正寿院】

みなさん、猪目(いのめ)とは何かご存知ですか?

猪目は日本古来より使われている図柄で、”ハート”によく似ています。”ハート”を逆さにすると猪目になります。

 

 

その猪目がきっかけで、人気に火が付いたのが、宇治田原町にある高野山真言宗「正寿院(しょうじゅいん)」です。

観光客のほとんどは女性で、この猪目を目当てに京都市内外から時間をかけて多くの人が訪れます。猪目窓は本堂の中にあるのではなく、則天の間(客殿)にあります。

 

 

 

則天の間は、神仏を祀るためというようり「宇治田原町を五感で感じてほしい」という構想から建てられたとされています。

ですが、神仏を祀らなかったため災害が起きたら後悔をする、と住職は考えました。そのとき大工から「猪目を生かしてみては」という提案があり、構想から5年を経て、2017年3月、天井画と猪目窓の空間が完成しました。

 

ハート型の窓から季節を感じる景色を眺めることができ、 さらには花や日本の風景をテーマにした天井画が注目され、拝観者が増えていったのです。なにより正寿院は、京都市中心に比べて涼しげな緑深い宇治田原にあります。そのため夏の季節には例年、風鈴をテーマにした「風鈴まつり」が開催されています。

正寿院「2020風鈴まつり(2020年7月1日~8月31日)は新型コロナウイルス感染対策のため、事前申込にて開催しています。詳しくは、公式ホームページをご覧ください。



 

全国各地の風鈴は一つひとつ音が違い、その地域にちなんだガラスや陶器、金属で作られているので違った涼を感じることができます。そもそも猪目はいつからあるのかというと、約1400年前からお寺や神社に建築装飾として使用されていました。

猪や獣の目は災いを除け、福を招くとして信仰の対象とされてきたそうです。つまり、その土地の人々の安全な生活、幸せを願っているという意味が込められています。ですから、猪目とはなにかを知っていれば、伝統的建造物の見方も変わってくるのではないでしょうか。

現在は、新型コロナウイルスの影響で満足に旅ができる状況ではありませんが、こうして調べて疑問を紐解き知識を得ることで、旅を身近に感じることができると考えます。これからも、稀少な情報をどんどん発信していきたいと思います。

 

(学生記者:淑徳大学 経営学部 観光経営学科 2年 吉田瑛美香)