コミュニティ政策学部の授業を覗いてみよう、シリーズ③「消費者問題」(担当:日野勝吾准教授)

 7月31日配信ブログ(https://www.shukutoku.ac.jp/seisaku/blog/2020/07/gnh.html)に引き続き、1年生向け必修科目における、オムニバス形式の授業紹介です。第3回目は「消費者問題」についてです。

 「消費者問題」というと、一般的に、「堅苦しい」「私には関係ない」と思われがちですが、全国の消費生活センターに寄せられた消費者被害金額は総額「約4.7兆円」(消費者庁「2019年消費者被害・トラブル額の推計結果について」(令和2年7月))となっており、高止まりの状況が続いています。

 この講義では、これまで中学や高校の「公民」「現代社会」の授業で「消費者の権利」「クーリング・オフ」「消費生活センター」に関して学んだことを踏まえながら、消費者問題のリアルを知りつつ、地域コミュニティを通して消費者問題を未然予防するための方策、また、事後的に消費者問題を解決するための手段・方法について学びました。


 

 具体的な学びのポイントとしては、①消費者被害の実態(リアル)を知り、自身の消費行動を振り返る、②地域コミュニティによる消費者被害予防策(見守りネットワーク)について学び、現状と課題を理解する、③地域コミュニティを活用した見守りネットワークを積極的に実践するとした場合、改善点を挙げて、より良い制度設計に向けて提案する、以上3点を中心に講義を進めました。

 消費者の安全・安心確保のために、消費者安全法上の消費者安全確保地域協議会をはじめ、地方消費者行政における地域の見守りネットワークの構築が徐々に進みつつある一方、各世帯のプライバシー意識の高まりやコミュニティの担い手不足、価値観の多様化、連帯意識の希薄化等の諸課題があります。

 消費生活センター(消費生活相談窓口)が、消費者被害に関する情報を収集し、地域住民に発信する積極的な役割が期待されることから、地域コミュニティにとって、注意喚起情報を含む情報発信の中核的位置づけとしての存在である点、また、消費者トラブルを適切かつ早期に解決し、未然防止するためには、地方自治体内の福祉、教育、税務など他部署との連携、複数自治体による広域連携も重要となる点を指摘しました。


 民法改正(2022年4月1日施行)にも触れました。改正民法施行後は18歳、19歳の若者をめぐる消費者トラブルの拡大が懸念されています。これまで未成年者取消権(保護者等の同意なき契約は取消可能(民法5条)であった18歳、19歳の若者が保護対象から除外されることになります。

 SNSがきっかけとなる消費者トラブルが多いこと、若者の消費生活相談の中には満20歳を迎えた直後に悪質な事業者のターゲットとなった事例があることなどに触れたところ、受講生の皆さんからは、小・中・高等学校・大学等における消費者教育の充実が必要であり、特に「契約」をすることへの認識や消費者の権利と責任への適切な理解等も重要との意見が寄せられました。


 地域社会には消費者問題のみならず様々な課題が山積しています。引き続き多角的な視点でコミュニティ政策学部での学びを進めてほしいと期待しています。(文責:日野)


2020年9月

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