センパイ!
学生の想い、卒業生の想いを聞きました!

卒業後は地域の美術館に学芸員として勤務!
文化財を通して街の活性化を実現させたい

内定先 愛媛県八幡浜市役所(学芸員)
戸ヶ崎 太郎さん
人文学部 歴史学科 4年生(2023年取材時)
日本航空高等学校 出身
歴史_WEB_戸ヶ崎

フィールドワークやグループワークによる実践的な授業が魅力

小学6年生の頃から歴史上の人物に興味を持っていました。なかでも特に心惹かれたのは、戦国武将。きっかけは、当時の担任の先生が歴史好きで、「戦国武将」「大名」など歴史をテーマにした討論会をクラスで行っていたことでした。討論のために自分自身で調べていくうちに、その面白さにどんどん引き込まれていったのです。
 
淑徳大学はフィールドワークやグループワークが充実していることに加え、オープンキャンパスで受けた模擬授業がとても印象的でした。伊達政宗をテーマにした授業、学科長による中国史の授業などどれも面白く、「この大学で学びたい!」と思いました。
 
入学後、楽しみにしていたフィールドワークは、予想通り充実していました。特に、「東洋史研究Ⅱ」の授業で、古代に日本に渡ってきた「渡来人」の遺跡をめぐったのは印象に残っています。武蔵国分寺でのフィールドワークでは、人物をクローズアップして考察。塔の再建に尽力した壬生吉志福正という渡来系の氏族に着目し、事後報告・発表をまとめました。

サークル「大河ドラマ研究会」を友人と立ち上げ、部員と歴史を探究

大学生活では、サークル活動にも力を入れました。2年次に、「人の手によって物語化された歴史を研究する」ことをコンセプトにした「大河ドラマ研究会」を、友人と二人で設立。大河ドラマをはじめとする多くの歴史小説は、大筋は歴史をなぞっているものの、フィクションとして描かれている部分がたくさんあります。登場人物の描き方も、例えば織田信長は非常に短気な暴君、豊臣秀吉は創意工夫で立身出世するといったイメージが定着している印象もあります。果たして実際は、本当にそうだったのでしょうか?
 
サークルでは、歴史上の人物や出来事など毎回テーマを設け、さまざまなドラマや小説、漫画を見比べてどのように描かれているのかを検証しています。また、部室での活動のほかにも、ドラマの舞台を訪れるなど、フィールドワークも実践。その研究の集大成として、毎年、学園祭でポスター展示をしたり、サークル誌にまとめたりなどの発表を行っています。

卒論は、戦国大名・長宗我部氏にまつわる史実「浦戸一揆」をテーマに

入学前から戦国武将に興味があった私が、特に注目したのは「長宗我部氏」です。戦国時代に土佐統一を成し遂げたものの、関ヶ原の戦いで敗れて領土追放という憂き目に遭った長宗我部氏。その家臣たちが徳川家康に対抗するために起こしたのが、「浦戸一揆」です。
 
この攻防には、家康の家臣である井伊直弼や、長宗我部氏に代わって土佐を与えられた後の土佐藩初代藩主である山内一豊など、歴史上の重要人物が関わり、さまざまなドラマが繰り広げられます。それらを多面的に解明していきたいと考え、「浦戸一揆」を卒業研究のテーマに据えました。
 
ゆかりのある高知市には、何度も足を運んでいます。例えば、一揆の現場となった「浦戸城」の跡や、長宗我部氏と家臣たちが埋葬された後に建てられた「石丸神社」、県立図書館、博物館など。さらに、水戸市にも一揆に関する資料が伝わっていることを知り、フィールドワークを行っています。歴史を通して日本各地がつながっていることを実感し、探究心がいっそう掻き立てられました。
 
この研究をきっかけに四国地方に愛着が沸き、卒業後は愛媛県八幡浜市の美術館で学芸員として働くことになりました。目標は、街の文化財や美術品を通して、地域活性化を実現させること。淑徳大学で学んだ歴史学や博物館学のスキルを活用して、地域に貢献したいと思います。