栄養学科の実験実習を覗いてみよう『微生物学実験~食品に含まれる細菌の培養~』

今年も残り1か月弱となり、後期の実験実習も折り返し地点を過ぎました。

 

ブログをご覧になっている高校生の皆さんは、期末試験や大学受験に向けて勉強が本格化してくる頃だと思いますが、インフルエンザ等の感染症も本格化してきますので、どうか体調管理にはお気を付けください。

 

さて、今回のブログでは、栄養学科1年次後期の微生物学実験を紹介いたします!

  

突然ですが、この丸い容器は一体何でしょうか。

フタの部分が少しくもってしまいましたが、中に薄い黄色や赤色の物体が確認できますね。

これは、細菌の栄養源を混ぜて寒天で固めた、寒天培地と呼ばれる微生物学実験の必需品です。

 

通常、食品に含まれる細菌は目で見ることができませんが、色々な食品からサンプルを採取し、寒天培地で培養して肉眼で細菌を観察できるようにするのが今回の実験です。

 

早速、どのような作業をするのか覗いてみましょう!

 

キャベツ(奥)とキムチ(手前)から細菌を採取するようです。キムチには乳酸菌がいるイメージはありますが・・・?

 

真剣な眼差しで仲間の作業を見守る学生。

 

人参から細菌を採取するようです。人参は土の中で育ちますので、土の細菌が付着していそうですね。

 

ブドウの皮から採取したサンプルを寒天培地に塗布しています。果たしてどのような細菌がいるのでしょうか。

 

サンプルを塗布した寒天培地は、37℃を維持できる装置に入れて数日間培養します。37℃という温度は多くの細菌が増殖するのに適した温度とされています。しばらく時間をおいてみましょう・・・。

 

 

~培養後 次週の微生物学実験にて~

 

多くの食品で細菌が検出されました!

特に多く検出された食品と、その寒天培地を紹介いたします。

こちらはピーマン(左上)、紫キャベツ(右上)、人参(左下)、ねぎ(下中央)、えのき(右下)の細菌を培養した結果です。

 

これらはキャベツ(左)とヨーグルト(右)の結果です。白い細菌は乳酸菌かな・・・?

  

食品によって細菌の色や形状が異なるのが分かりますが、この段階ではそれぞれが何という種類の細菌なのかは判断できません。これを特定していくのが、今後の実験となります。

 

今回の結果を見てみると、意外と野菜には細菌が付着しているようですね・・・。

しかし、土壌や川、池、海など、私たちの身の回りには目に見えていないだけで、多くの微生物が存在しています。

そう考えると野菜から細菌が検出されるのは当たり前のことですよね。

 

一方で、納豆、キムチ、ヨーグルトなど、製造の過程で微生物を利用する食品も存在しているだけでなく、私たちの身体を維持するために必要なビタミンKも、腸内細菌が作り出しているのです。

微生物の世界も奥が深いですね。

 

食と栄養のプロとして、臨床の目線から患者さんの状態を判断できるのが管理栄養士ですが、現場で活躍するためのベースとなるのは、普段の講義や実験・実習で得られる基本的な知識です。

管理栄養士になるためには、今回のブログで紹介した食品や栄養素と微生物との関わりも学ばなくてはなりません。

 

さて、管理栄養士を目指して受験勉強中の皆さん、本学栄養学科にご入学される皆さん、受験生のお子様をもつお父様・お母様も、このブログを読み終えた後、食べ物や栄養について少し考えてみてください。微生物のことが少し頭に浮かぶようになったのではないでしょうか。

 

淑徳大学栄養学科では1年生後期から2年生の後期にかけて、食品学・栄養学・生化学などの分野について色々な実験を通して管理栄養士に必要な知識を身につけていきます。

実験では化学や生物の知識が必要となりますが、こういった分野が苦手な学生さんも教員が手厚くサポートしますので、安心して実験に取り組んでください☆