学長メッセージ

建学の精神を基盤に、教育のさらなる充実を目指す

02-01


 2023(令和5)年、淑徳大学は開学から58年目を迎えます。
 本学は、千葉市の由緒ある浄土宗寺院である龍澤山大巖寺の敷地の一角を切り開き、1965(昭和40)年、国内4番目の社会福祉系単科大学として創立されました。

 大学を創設したのは、浄土宗の僧侶であり、教育者であり、社会事業家(ソーシャルワーカー)である長谷川良信先生でした。大学の創設者を「学祖」といいますが、学祖は、東京・西巣鴨のスラム街、通称「二百軒長屋」に単身で移住し、子どもたちの夜学や住民の相談に応じるセツルメント(隣保事業)を行いました。そして、この事業を組織的に継続するために、1919(大正8)年、マハヤナ学園を創設。同年『社会事業とは何ぞや』という書籍を公刊するなど精力的に行動し、晩年には社会事業に従事する後継者を育成するために淑徳大学を開学しました。

 このような経緯から、本学の教育研究上の目的は、「大乗仏教の精神に基づき、社会福祉の増進と教育とによる人間開発、社会開発に貢献する人材の育成」にあり、これまで多くの卒業生を社会へと輩出しております。
 開学から58年が経つ「福祉の淑徳」は、現在、首都圏に4つのキャンパスを設け、7学部13学科、2大学院研究科を擁する総合大学へと広がり、多彩な学びを提供しております。
 開学から継承されている本学の建学の精神は、大乗仏教の思想による「利他共生」といい、「他者に生かされ、他者を生かし、共に生きる」という意味が込められています。また、利他共生の実現に必要な心のあり方を「感恩奉仕」とし、生かされていることへの感謝をお返ししていくという意味が込められています。いずれも、本学で学ぶ学生に対する学祖の熱い想いであり、私たちが受け継いでいくスピリッツと言えます。

 2023年度、本学の新たな取り組みとしては、埼玉キャンパスに地域創生学部地域創生学科を、東京キャンパスの人文学部に人間科学科を開設するとともに、埼玉キャンパスに所在していた経営学部を東京キャンパスへ移転しました。そして、教育内容としては、全学共通の基礎教育科目(S-BASIC)がスタートします。これは、どの学部学科でも、これからの社会を生き抜くために必要な基本的な力(知識・技能・態度)が身につく、本学ならではの基礎教育カリキュラムです。また、その基礎教育の上に積み上げられる各学部学科の専門教育においても「淑徳ならではの学び」を大切に、教育を提供しています。さらに、「淑徳大学地域共生センター」を開設し、建学の理念である「利他共生」と、「生涯にわたり地域社会に貢献する」という私たち「淑徳人」の生き方を体験学習や活動等を通して学び、ふくし文化の醸成に寄与する活動が新たにスタートします。

 総合大学として展開する今日、福祉の淑徳は、学問領域の福祉という狭い意味ではなく、すべての学生を対象として、「共に生きて共にいかしあう」共生社会を支えうる人財を育てていきます。そして、学生のみならず私たち教職員も「文化としての福祉」を身にまとい、地域社会のふくし文化を醸成していけるように、今後も研鑽を積んでまいりたいと思います。


淑徳大学学長山口光治


大学紹介
大学紹介
University Introduction

これまでの学長メッセージ

2023.01.01 新生淑徳大学の年にあたって
2022.07.01 2023(令和5)年度からの新生淑徳大学の取り組みについて
2022.04.01 新しい出会いに感謝
2022.01.01 2022年のスタートにあたって
2021.11.25 新しい淑徳大学へ:変わるものと変わらないもの
2021.04.01 新しい一歩「青春今や我にあり」