学長メッセージ

淑徳大学開学60周年に思う

【学長メッセージ】山口学長1-2 
 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。  昨年は、元日の石川県能登半島を中心にした最大震度7を観測する地震から年が明けて参りました。あれから一年が経ちます。何度か現地を訪ねて感じることは、その後の豪雨災害も加わり、復旧や復興の歩みはまだ道半ばではないかということです。改めて被災された方々に対して心よりお見舞い申し上げるとともに、一日も早く元の生活が営められますことを祈念しております。そして、今年は災害の少ない年となりますことを願わずにはいられません。

 さて、本年は淑徳大学が開学して60年目の年となります。
1965(昭和40)年4月、千葉市にある浄土宗の寺院、大巌寺の聖域に、日本で4番目の社会福祉系単科大学として淑徳大学は誕生しました。社会福祉学部社会福祉学科の入学定員は100名で、初年度入学生は61名でした。開学から60年が経ち、現在、淑徳大学は4つのキャンパスに7学部13学科、2研究科を擁し、学生数五千名を超える総合大学へと発展してまいりました。
開学60周年の節目に、淑徳大学創設者である学祖長谷川良信先生の想い(原点)を、1966年に入学案内として書かれた学長のことば、「本学を志す若き諸君に」から見てみたいと思います。
 
「本学社会福祉学部の目途とするところは、隣保・相互扶助の上に立って地域社会の改良をはかり福祉をもたらさんという情熱に燃ゆる若き学徒のために、最高の研究の場を供せんがためである。そしてここに学ぶ者をして社会奉仕の意気をさかんならしめ、その信念を涵養しようとするものである。
 自己だけの利益を追求することをやめ、人のために尽すことこそ人間理想の現われであり、実はその中に自己の幸福が見出されるということは大乗仏教の教えであるが、この精神を身につけ、社会に対して献身的な奉仕を捧げんとする社会事業家を養成するのが本学の目的である。
 人間関係は日日に変転するが、これに調和を与え調整するためには、常に変らぬ慈愛と熱意とがなくてはならない。こうした信念のもとに、近代科学の技術を会得し、各種方法論に精通し、己が能力を十分発揮し得られる有能な専門家が要望される。若き学徒諸君が、この時代的要請にこたえて、人類の福祉と世界の平和のために自らを投じて礎石となられんことを切に願ってやまぬものである。」

 
 当時の社会福祉学科の募集要項に書かれているメッセージではありますが、第二段落には「人のために尽くすこと」、つまり「利他」が「自己の幸福が見出される」という「自利」にもつながる、という大乗仏教の教えを述べています。そして、それが建学の精神「利他共生」(他者に生かされ、他者を生かし、共に生きる)の根底に流れる思想といえます。
 今日、建学の精神「利他共生」を理解することは、社会福祉学科のみならず、7学部13学科の全ての学生、教職員においても、自らの生き方を探求していく機会として大切にされています。
 淑徳大学は「福祉の淑徳」として、これまでも、そしてこれからも「共に生きて共にいかしあう」共生社会を支えうる人材の育成に尽くして参ります。

 最後になりましたが、学生や教職員はじめ、全国で活躍されている卒業生の皆様、また、本学をご支援くださるすべての方々にとって2025年が「よき一日」の積み重ねとなりますことを祈念して、新年の挨拶と致します。
 本年もどうぞよろしくお願い致します。 


淑徳大学学長山口光治


大学紹介
大学紹介
University Introduction

これまでの学長メッセージ

2024.04.01 淑徳大学の多様な学びから新たな時代で生き抜く力を
2024.01.01 共に歩む これまでも これからも
2023.04.01 建学の精神を基盤に、教育のさらなる充実を目指す
2023.01.01 新生淑徳大学の年にあたって
2022.07.01 2023(令和5)年度からの新生淑徳大学の取り組みについて
2022.04.01 新しい出会いに感謝
2022.01.01 2022年のスタートにあたって
2021.11.25 新しい淑徳大学へ:変わるものと変わらないもの
2021.04.01 新しい一歩「青春今や我にあり」