日本近代文学館フィールドワークについて【文芸表現コース】

はじめまして。淑徳大学 人文学部表現学科の杉原麻美です。

 

4月に産声をあげた人文学部は現在キャンパス内にいる学生は1年生のみですが、さっそくいろいろなサークルが立ち上がり、どの学生も積極的に学生生活を謳歌しています。

 

教員の私たちも、そんな1年生に、大学生活のなるべく早い段階から「本物に触れる」機会を作ろうと、学外講義などの授業を実施しています。

 

今日の授業(1年生の必修授業「表現文化入門」)では、目黒区駒場にある「日本近代文学館」を見学しました。 (企画展の内容はコチラ

 開催中の「青春の詩歌」展、「川端康成の四季と死の美学」展のほか、会議室で近代文学の文豪の直筆原稿も見学させていただきました。とくに、直筆原稿や創作途中のメモには、筆者の息づかいが感じられる迫力がありました。何度か書き直し訂正が入っている箇所からは、逡巡しながら言葉を搾り出し苦悩している過程も垣間見えます。            

 

        

 

 

 

 

 

(写真は日本近代文学館のホームページより

 

学生のレポートより、そんな感想部分を少しご紹介します。

 

【日本近代文学館についての感想】

●太宰治、や夏目漱石の初版本を見せていただいた。とくに「人間失格」の初版本のレプリカ(復刻版)を見れたのは貴重な体験だった。夏休みを利用してまた行ってみたい。

●生原稿には、どれも作家の魂がこもっていて、生き様を見せつけられているようだった。最初は正直あまり興味が無かったが、私は魅力にとり つかれたのかもう一度行ってみたいと思っている。

●特に印象的だったことは、川端康成の「雪国」の冒頭が実は全く違っていていくつも雑誌に掲載されたものを一つにまとめて現在の「雪国」になっていることです。川端康成はとてもマメでたくさんメモしていたり、字の書き方を変えたりするなど試行錯誤している様子が伝わってきて、作品に対する情熱が感じられました。

●「青春の詩歌」で一番印象に残ったのは、宇多喜代子さんの「夏の兔、飢えたり夢も見ていたり」の作品です。夏の兔とは、私たちの青春のことをいっていて、若い頃は生活するためにお金を稼ぐのに必死になるけれど、いつかは大きな事を成し遂げたいという夢も持っている、ということに強く共感しました。

  

現代では、手書き文字を使う機会がどんどん減っていますが、

あらためて「伝える」ことにおいて、人の手による文字のメッセージには強烈な強さを感じます。

表現学科の授業では、このように感性を深める機会を増やしながら授業を進めていく予定です。

2021年10月

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