演劇発表会

昨年より16日遅く、平年よりも1日遅く関東甲信地区の梅雨が空けた日の

7月22日(火)と翌23日(水)、淑徳大学東京キャンパスの1階スタジオで表現学科1年生たちが全員参加の演劇発表を行いました。

 

あのイギリス・ルネサンス時代を代表する劇作家・詩人のシェイクスピアの戯曲「お気に召すまま」2幕7場で、辛口の批評家ジェイクイーズがやや斜に構えて言う台詞です。「すべてこの世は舞台。男も女もすべて役者にすぎない」

いつもの「自分をどう変えていくか」今日は見ものです。

 

両日、スタジオはほど良い緊張感に包まれ、実に手際よく手配された出し物が次々と演じられました。創作、名作、独演、グループ演技、二人芝居、童話劇、時代物などなど。3クラス24本の出し物がありました。

 

ある学生の独演です。シェイクスピアのあの名作「ロミオとジュリエット」を独演?そうなんです。一人で客席に向かって横に立ち、左向きならば金髪のかつらが客席に向いていてジュリエット。右向きならばそのまま男のロミオ。つまり向きを変えることで、一人二役を演じました。

しかも台詞は全部、頭に入っていて堂々と語りかけます。このシルエットに対し、客席からは「驚き、笑い、雑音、ひやかし」などが飛びます。しかし彼は負けることなく、最後まで役を演じ切りました。ものすごい緊張感から解き放たれた彼は、開放感を楽しみながら、目頭に熱いモノを感じているように私には見えました。その一瞬を捉えた私も満足感でいっぱいでした。

 

万事がこの連続です。「慣れない縛り・規則・しきたりなどの制約と緊張感」の中に身をおいて、全力で自分を変えていく。そのひたむきさの中に純粋な感動がありました。自然界のお天気さえ、大きく変わって行きます。とどまることはありません。梅雨空けの日の学生たちの演技に、「彼らは間違いなく、目の前の扉を少しこじ開けた」と私は感じました。

 

自分への挑戦を果たし、その結果「満足した者、不満足な者、面白かった者、つまらなかった者」いろいろあるでしょう。まだまだ一回目の発表会です。後期の演劇授業がさらに期待でそうです。みんな!お疲れ様でした! 

  

 

放送表現コース教授/松永二三男

 

2021年10月

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