企画案660本から選ばれたものとは?

2015年1月、「編集文化研究Ⅰ」最後の授業で、「企画コンテスト」と「レイアウトコンテスト」が開かれました。

 

 「編集文化研究Ⅰ」とは、1年次で【編集】について初めて学ぶ入門講座。前年9月に始まった授業前半では、企画の立て方を学びました。「読者のニーズを把握する」「仮説をもって情報を集めて検証する」「発想を広げる」「企画の種を集める」「テーマと切り口を考える」……授業は、講義と学生チームによる編集会議の二本立て。回を重ねるにつれ「編集ってこんなに大変なんですか、気が遠くなってきました~」と、学生から悲鳴にも似た声が上がるようになりました。

 

 そのとおり。編集は、ただ楽しいだけではありません。大変だけど楽しい、大変だから楽しいのです。新しいものを生み出すには、閃きだけではなく、膨大な汗も必要です。でも、持つべき視点は、学びを通して身につけることができます。『科学と方法』のなかでアンリ・ポアンカレは「これまで無関係と思われていたものに関係があることを発見するのが美的直観」と述べていますが、編集にもこうしたセンスが必要です。

                       

 

 こうした考え方を学びながら、学生チームが議論したのは「淑徳マガジンの企画」です。自分たち学生が知りたいこと、不安に思っていることは何か。チームに分かれての編集会議では「1000円で空き時間をENJOY!」「みんなに教えたくない私の恋愛必勝法」「一人暮らしのmini努力でプチ贅沢」といった企画案に絞られました。

 

 授業後半では、班ごとのテーマを各自が取材し、見開き2ページのレイアウトを完成させました。プロのデザイナーの先生に来ていただき、生まれて初めて触わるデザインソフト「イン・デザイン」と格闘しながら、それぞれ驚くようなデザインを完成させました。コンテスト受賞者の作品は、写真をご覧のとおりです。

 

 もうひとつのコンテストは、同じく淑徳マガジンの「企画案」です。各自20本の案を提出。その中から、学生投票により次の7本が選ばれました。

◇学生のコンビニ派閥

◇サークル充実してる?放課後のアスリートたちの顔

◇SNSは人を蝕む(ネット依存)

◇今どきの若者があげる友人への誕生日プレゼント・サプライズ特集

◇意外と知らない!ファーストフードのわがままオーダー!

◇不幸だと思う人にはポジティブ思考が多い

◇学生割引の上手な使い方

◇高収入!好条件! 大学生オススメアルバイト~in池袋編~

 

 学生選出の案に加えて、「野村選」で「大特集」案を2本追加。

◇これに決定!~人文学部的マンガ大賞2014~

◇あなたのお金の使い方間違っていませんか?今知りたいお金の正しい活用術。

 

 さらに、きらりと光る切り口の「小企画」向きの案を「野村選」で3本加えました。

◇いわゆる「ブラック」といわれる企業でのバイトは本当にブラックなのか?

◇便所メシのメリット

◇ラーメン屋の漫画はなぜ面白いものが多いのか

 

 それぞれに、企画の意図を語ってもらうと、ふむふむナルホド。学生たちは「自分にはない発想だ」と、おおいに刺激を受けたようです。

 

 今回提出された企画案は、計660本! 学生マガジン1年分の企画が組めそうな粒ぞろいです。最後の授業は、受講生の半年間の成長ぶりが感じられるコンテストとなりました。

  (表現学科教授 野村浩子)

2021年10月

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