歴史学科 歴史調査実習Ⅱフィールドワークin深川

 

こんにちは!歴史学科二年の梅﨑渉です。

今回私たちは森田教授の歴史調査実習のフィールドワークで二週にわたり江東区深川に行ってきました。

 

一週目は『奥の細道』で有名な松尾芭蕉に関連する史跡を多く見学し、

江東区立深川図書館資料室の見学をさせていただきました。

二週目は深川の人々の信仰を多く集めた寺社を回り、

深川江戸資料館では学芸員の方から貴重なお話を聞かせていただきました。

 

今回は深川図書館、深川江戸資料館で学んだこと、

二週で見学した史跡・寺社の中で特に印象に残っているのもの紹介できたらと考えています。

深川図書館資料室での見学では使用方法のマナーなどについて学びました。

私たちの学年ではまだこういった資料室を使う機会がほとんどなく、

実際にその場に行き、使用方法を教えていただけるのは貴重な時間でした。

また資料室に東京の歴史に関する書籍が多く所蔵されていました。

これから先、レポートや卒業論文の執筆にあたり、是非利用させていただきたいと思いました。


 

 

 


深川江戸資料館では展示室を学芸員の方に直接案内していただきました。

深川江戸資料館では時代劇などよく見られる江戸の町並みが再現されて目で見て、

肌で江戸の雰囲気を感じることが出来ました。また展示物にも触ることが出来、

当時の町人たちがどのような暮らしをしていたのか想像することが出来ました。

また展示の解説の後に学芸員の方から展示方法や学芸員の採用などの話を聞かせていただきました。

私たち学生の中には学芸員の資格の取得を目指す学生も貴重かつ、有意義な時間となりました。

両館で得たことはどちらも将来にとても役立つことばかりで、ご多忙の中、時間を割いてくださった

深川図書館・深川江戸資料館の方々に感謝の気持ちを忘れずに活かしていきたいと思います。

 


ここからは一週目、二週目それぞれで印象に残った史跡・寺社を紹介していきたいと思います。

 

 

  

まず一週目は清澄庭園です。

この清澄庭園は「都心にこんなきれいな庭園があったのか!」と言わんばかりの庭園です。

この庭園の起こりは、一説によると江戸期の豪商、紀伊国屋文左衛門の屋敷跡と伝えられています。

明治にはいると、岩崎弥太郎の所有になり、来賓用の庭園の整備を行い、

後に弟の弥之助が所有すると、現在の庭園が完成しました。

ですが、昭和20年東京大空襲で荒廃しています。

戦後に復旧が行われ昭和28年に完了し、今日に至っています。

また園内には深川にゆかりのある俳人、松尾芭蕉の句碑が立っています。

これは、1934年に建立されました。

その趣旨は震災で深川の芭蕉庵の遺跡が壊滅してしまい、その史実を後世に残したいというものだそうです。

この句碑には芭蕉の一番有名な「古池や かはづ飛び込む 水の音」が刻まれています。

 

 

 

  

二週目の印象に残ったのは富岡八幡宮です!

ここは個人的にもずっと訪れてみたいと思っていた神社フィールドワークで訪れる機会があり、強く印象に残っています。

ここは「深川の八幡」と呼ばれ広く信仰されています。

富岡八幡宮の起こりは、1627年に長盛法印が永代島にあった八幡旧社を再興したのが始まりとされています。

また、「富岡」という称は1685年に永代寺四世周光の夢に聖徳太子より口授されたものという説話が伝わっています。


そして、富岡八幡宮と言えば・・・そう!お神輿です!

富岡八幡宮の深川祭は神田明神の神田祭、日枝神社の山王祭と並び東京三大祭に数えられことがあります

(私個人としては浅草の三社祭ないしは鳥越祭を入れたいとこですが・・・)。

そもそも富岡八幡宮の祭りの歴史は1643年に遡ります。

江戸期の元禄期に紀伊国屋文左衛門が金銭に糸目をつけずに神輿を建造させ、

奉納した三基の大神輿があったほうですが、関東大震災で惜しくも焼失しています。

それ以降は、神輿でなく鳳輦を渡御させていました。

平成3年に御本社一之宮が68年ぶりに復活します。この本社神輿こそが日本一と言われる千貫神輿なのです。

千貫とは今の重量にする約4.5tくらいになります。また、この重さだけではなく、大きさもすごいのです。

私自身も様々な神社の祭事に参加させていただき千貫神輿と呼ばれる神輿を担がせてもらっていますが

こんなに大きな神輿は見たことがありませんでした。

この一之宮が大きすぎ渡御が大変ということでもう少し小ぶりの二之宮が平成9年に完成し、

現在では二之宮の渡御が行われています。

最後に深川を歩き、「都内で数少ない江戸を感じれられるところだな」と身に染みて思いました。

このブログを読んでくださり、興味をもってくださった方は是非、

古地図と現在の地図が掲載されている本を片手に歩いてみるのはいかがでしょう。


《ブログを執筆するにあたり参考とした書籍》
・江東区地域振興部文化観光課文化財係編『江東区の文化財1深川北部』(2012年)
・江東区地域振興部文化観光課文化財係編『江東区の文化財4門前仲町界隈』(2009年)
・江東区教育委員会編『江東区の民俗 深川編』(2002年)

 

 

2021年10月

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