歴史学科 板橋区郷土資料館で古文書を読む

皆さんこんにちは、人文学部歴史学科2年の鳥井琴花です。

私たちは4月28日に、田中洋平先生による「歴史調査実習Ⅰ」のフィールドワークで板橋区立郷土資料館を訪問しました。

同館は板橋区赤塚にある資料館で、板橋区に関わる資料の収集・調査・研究・保存、展示だけでなく、教育普及に繋がる体験・講座・実習の受け入れを行っていて、今回はこちらに参加しました。


今回の実習では、実際に古文書に触れて、くずし字を解読しました。
本物の史料に触れるので、傷つけないために学芸員の方と田中先生から教わりながら文書史料を丁寧に取り出します。
解読するのは「栗原良一家文書」という文書です。江戸時代前期(1684年)に書かれたもので紙が薄く、保存の行き届いていない時に発生した虫くいなどもあり、触ると破れてしまいしそうでとても怖い…。
また手汗も出てきて汚してしまうのもなおさら怖くて、皆触りたがりませんでした。そんな中、慎重に『くずし字解読辞典』でくずし字を照らし合わせながら解読していきます。


くずし字は人間が手で書いたものなので、字にクセがあったり、紙が破れていたりシワになっていたりで解読しにくいです。
それをみんなでうんうん悩みながら解読していきました。文書から解読できたものは、この文書は題字に「請取申金子之事」と書かれており、現在でいう税金の「領収書」のようなものでした。
解読する前半は皆、必死に一字一字考えながら解読していましたが、後半になるにつれ体力を消耗し、ざっと読んで「こうかな?これじゃない?」と言いながらさっさと解読していました。
その様子を見て、田中先生は「そうそう、そんな感じで読めばいいんだよ」と言っていました。
人間の書く文字は、真面目に一から調べるよりも、フィーリングでつかむと解読がしやすいことがよくわかりました。


一枚の文書を読むのには、私たちでは例えたった4、5行でも一時間ほどかかりました。
しかし読み切ったときは、昔の人が伝えたかったことがわかり、達成感も大きかったです。

ボリューム満点の実習となりました。
板橋区郷土資料館の皆様、田中先生、ありがとうございました!

2021年10月

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