博物館実習2019

こんにちは、歴史学科四年の鳥井琴花です。

418日・25日の博物館実習の講義で、日本通運の青木秀雄先生に、美術品の取り扱いと梱包について教えて頂きました。

 

まず、一日目。最初に美術品輸送について座学で学びました。「美術品とは何か」ということから説明してくださり、梱包・輸送の流れ、梱包材の紹介、美術品取り扱いの心得、梱包輸送の基本事項など、青木先生が非常にわかりやすい解説で教えてくださいました。

そして、ついに実技です。一日目で教わったのは、白薄葉紙を使った綿布団作り、紐の結び方、陶器()・茶碗の梱包です。

 

白薄葉紙とは、和紙と似た白い紙で、しなやかでしっかりとした構造で作られている紙です。この白薄葉紙で、美術品を支える綿布団(クッション)を作成します。

また、綿布団の他に、白薄葉紙を細く切り取って、紙紐も作成します。これは、綿布団を美術品に固定するためのものです。

 

しかし、この白薄葉紙をカッターナイフで切り取るのですが、これが思ったよりも難しかったです。カッターナイフの刃が引っかかってうまく切れなかったり、紙の折り方を間違えて細さが変わってしまったりで、大変でした。

 

そして、実際に陶器を梱包してみます。先ほど作った綿布団と紙紐も使います。

この時青木先生がお手本をして見せてくださり、私は助手をさせて頂きました。ただ紙紐を蝶結びするだけだったのですが、陶器はあまり触ったことがなかったので、とても緊張したのを覚えています。

 

綿布団と紙紐に包まれた陶器は、まるでハムが糸巻きされている状態にも見えます。それくらい、綿布団で完全に陶器を覆い、破損を防ぎます。

次に、茶碗の梱包ですが、これは主に紐の結び方を教えて頂きました。茶碗にはすでに専用の巾着袋に包まれており、その紐の結び方を教えていただきました。

 

二日目。この日はずっと実技で教えて頂きました。掛軸・巻子(巻物)・屏風の梱包・取り扱いと、最後にダンボール紙で箱を作る方法と頑丈な紐の結び方を学びました。

 

特に掛軸の梱包は、精神的に疲れました。なぜかと言うと、巻物が大きい上に壁に引っ掛けなければならなくて、少しでも気を抜けば傷をつけてしまいそうだったからです。私たちの班で掛軸の巻物を開いたときには、色鮮やかな牡丹のような花が大きく描かれていた掛軸で、美しかったのですが、同時に「取り扱いを間違えたら大変なことになる」と感じさせられました。手汗も出てきて大変でした。

 

続けて巻子の梱包です。巻子はいわゆる、掛軸よりも小さな、手元で開く巻物です。これは、掛軸に比べて簡単でした。一気に梱包するのではなく、少しずつ巻いていけば難しくはなかったです。

 

次に、屏風の取り扱いです。大きくて、屏風を広げるだけでも一苦労です。重量もあり、屏風の背も高く、私の背でやっと屏風の一番上にある縁に触れられるくらいで、私たち女性だけで作業するには少し難しいように感じました。

 

最後に、ダンボール紙で箱を作る方法と、屏風などの大きな箱を固定するための紐の結び方を学ばせて頂きました。本来は、これらは教えて頂く予定に入っていなかったのですが、青木先生のご厚意で教えて頂きました。

 

梱包において基本的な知識ですが、実際にやってみないと分からないことなので、やはり教えてもらって良かったです。特に頑丈な紐の結び方は、理解するまで時間がかかりました。青木先生はサッと結ぶことができるので、見ただけでは簡単そうに見えたのですが、実際に結ぼうとすると、コツが要る結び方で、学生はみんな苦戦していました。青木先生のように上手く結べると格好良くて、家でも練習したくなりました。

 

以上で、青木先生の講義は終わりました。たくさんのことを学ばせて頂いて、今ブログを書いている私も書ききれなくて勿体無いと思っているくらいです。改めて、青木先生にお礼申し上げます。

 

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