石巻市大須地区ボランティア活動学生レポート(3)

その後、提出された学生のコメントを紹介します。

僕が石巻市での5日間の活動の中で、最も印象に残ったのは、雄勝病院に供えてあった写真です。
雄勝病院では毎朝、黙祷を捧げて来ましたが、一番に目についたのは写真でした。それを見たとき、どうしてなのか、涙が出て来るのを感じました。どうして涙が出てくるのだろうと思いと共に、どうしてここで、多くの人が亡くなってしまったのだろう、どうして、たくさんの人が、死ななければならなかったのだろう、と思いました。そして、そう思うと涙が溢れて来ました。ここにいた人達が確かにここにいたと、明らかに証明できるのは、この、土に汚れて、色あせたボロボロの写真しか無いのだと思うと、悲しくなりました。ボロボロの写真しか残されていないけれど、そこには確かに、たくさんの人がいたのです。
4日目のミーティングで、その事を話すと先生方は「例え物が残らなくても、人の記憶にはちゃんと残る」と言って下さいました。「けれども、人は忘れちゃうから、字に残しておくんだよ」ともおっしゃってくれました。
僕は、ここで見た事の全てを、たくさんの人が確かにそこで生きていたということを、記録し、決して忘れず、ここから先へ歩んで行きたいと思います。

総合福祉学部社会福祉学科2年  鈴木颯太

被災地の状況を自分の目で見て、その悲惨さに胸が痛みました。同時に自分に何が出来るのか?と考えた時に出来る事の少なさに無力感も感じました。そんな中、現地の方々の中には、帰るべき場所が無かったり、居るべき大切な人が居なかったりするのに、私たちに優しい言葉をかけてくださったり、人の強さと優しさを身をもって実感する事が出来ました。また、私は将来、警察官になるという夢があるのですが、人を助けたり、人の為に何かをするということの難しさと喜びを今回のボランティアを通して見つける事が出来ました。この体験は、自分の財産になりました。ありがとうございました。
総合福祉学部実践心理学科2年  杉本麻美

現地に着いた時は想像以上の被害の大きさに驚きました。しかし活動を通して、たくさんの地域の方と触れあうことができ、地域の方の笑顔から私自身も元気をもらうことが出来ました。 マッサージを6班の子やカフェの方から教えていただき、体育館で行い地域の方と触れ合えたことも嬉しく思います。お母さんは私の好きな食べ物を聞いて後日夕食のメニューにしてくれたのも嬉しかったです。
桑浜の片付けもグループの子と協力し、ほんの少しの場所ですが綺麗になりました。片付けをする中で大切な品や生活用品を見つけ生活があったことを改めて感じました。
活動最終日には、避難所の方の住んでいた地域を見せていただきました。それぞれの場所でどういう状況の時に津波が来たか、松崎さんから教えていただきました。まだまだ復興の終わりがわからない状況の町を見て1日も早い復興を願いました。
活動を通して、沢山の人に支えられ今回の活動ができたことを嬉しく思います。物資の量やこれから欲しい衣類など物資の現状についても考えました。
千葉に帰ってきて私はTVニュースや新聞で石巻を始め、震災について今まで以上に耳を傾けるようになりました。震災の現状を伝える際に、大須を震災の町としてでは無く、山や海の自然の溢れた良い町だと言うことも伝えていきたいです。
総合福祉学部 実践心理学科4年  佐久間あゆみ

大須で支援活動をさせていただき,人のあたたかさに改めて気づかされました。避難所で生活をしている人達の負担を少しでも減らそうと活動していたのに,逆に気を使わせてしまっていて本当に自分がここにいていいのか悩んだときもありました。しかしマッサージや炊き出しで配膳をしたときなど「ありがとうございます」「ご苦労様」と一言声を掛けてもらえることが大変嬉しかったです。自分も少しは役に立っているのかなと思いました。
今回大須で支援活動させていただいたことを忘れずに次に生かしていきたいと思います。
総合福祉学部 社会福祉学科2年  岡本幸恵

最初に石巻市に入ったときに、TVでは感じられなかった現状に平常心では受け止められませんでした。自分の意志で来たのに、この状況で何ができるのか。今回のボランティアの前半はこのことについて悩みながらの活動でした。1日、2日と思う様な行動がとれず、チーム内の役割も果たせずに悩んでばかり8班のみんなにも迷惑をかけていました。それでもみんなは日課のミーティングと生徒たちだけのミーティングで個人的にアドバイスをくれたり、チーム全体に提案して、チームの考えを一つにしていきました。実質ボランティア最終日、僕は悩むことよりも自分の考えをみんなに伝えて情報の共有を目指しました。よく話して全員の行動を全員で理解しようと思いました。僕たちは今回のボランティアで人と関わることよりも校内の掃除と炊き出しがメインでした。各所、避難所として使われていた部屋を教室になるように掃除させていただきました。炊き出しについては、ミスもあったが最後までチームでお母さんを楽にできたと感じている。最終日にチームで物事に関して考えて行動し理解し合えたのは成功と言っていいと思う。またボランティア全体で心残りなことは、これから自分で行動していけばいいと思う。なぜならこのボランティアはここで終わりではないと思っているからだ。
国際コミュニケーション学部2年  田尻 琢也