平成24年度学習支援ボランティア活動を通して(報告)

平成24年度学習支援ボランティア活動を通して(報告)   引率教員 総合福祉学部 松山 恵美子

 

 平成24年8月6日~10日の5日間、学習支援ボランティアに参加した。宮城県石巻市立大須小学校と大須中学校の生徒さん達に夏休みの宿題のドリルやプリント学習のサポートをする(教員は見守る)のが主な活動である。参加メンバーは千葉キャンパスの学生4名(教育福祉学科とコミュニティ政策学科から各2名)、みずほ台キャンパスの学生1名(女子)、卒業生1名、教職員4名である。千葉キャンパスの学生を除いたメンバーは、東日本大震災から間もない頃にボランティアとして雄勝町を訪れている。

 

◆8月6日 東京駅に集合し出発。東北新幹線の古川駅で下車。そこから車で雄勝町へ移動(約40Km 90分)。途中、大川小学校へ立ち寄る。河口から4Kmも離れた場所にある大川小学校の校舎の姿に改めて津波の猛威を感じ、心から冥福を祈る思いで手を合わせた。

 

◆大須小学校での学習ボランティア

午前中の大須小では学習サポートの他に、プール活動への参加、コンピューター室をお借りして作曲ソフトを使ったパソコン体験学習、また牛乳パックを使ったラケットを一緒に作り、風船を使ったゲーム大会などの活動をした。



◆大須中学校での学習ボランティア

大須中では、校長先生の開講のご挨拶あと、学生と教職員がそれぞれ自己紹介、続いて中学生代表から立派な挨拶があり、一同身の引き締まる思いで学習サポートが開始された。「学習だけではなく、大学の雰囲気、将来の話やアルバイトの事など、色々な話を生徒にしてほしい。支援するとか支援されるとか、そういうものではない。生徒たちがここから旅立っていく先には、まだ知らない世界がたくさんあることを伝えてほしい。」という言葉が心に刻み込まれた。

昼食は中学校の先生方と生徒の皆さんによる”流しそうめん”や”バーベキュー”。

そうめんと一緒に流れてきた大須の”わかめ”、手作りのお漬物、煮物や味噌汁、また保護者の漁師さんからの”ヒラメのお刺身”など、心温まる歓迎に感謝の気持ちでいっぱいになった。


◆ミーティング

夕食後にミーティングがあり、その日の活動をふり返った。いくつか学生の言葉を紹介する。全体ミーティングのあとも自主的な学生同士のミーティングが続いた。

・大須小学校では在校児童以外に夏休みの里帰りで来ていた小学生も参加していた。座席配置や、時間配分など、小学生が楽しみながら学習に取り組める工夫が大事。

・プールでは水が苦手な子もいた。また安全性への配慮など、お互いの情報を共有しないと良い活動はできない。

・何人かの子ども達から名前で呼ばれ、嬉しかった。自分も全員の名前を覚える。まずはそこからだと思う。

・親に勧められて参加した。どうしたらよいかわからないが時間がない。とにかく声をかけ、みんなと話すことを目標とする。

 

 ◆雄勝町を知ろうとする気持ち・感謝

 “少し雄勝の町を歩いてみよう。どんな物が売られているか、畑では何が育っているか、雄勝で生活している人と話しをしてみよう”そんな気持ちで、自由時間を過ごした。地元の方のご配慮で”うに漁”や”わかめ詰め”を経験した。また、”とろろこぶ”を無添加手引きで製造している阿部傳吾さんの仕事場を見学させてもらう。私たちが知っている”うに”や”とろろこぶ”は、多くの手間と時間がかかっていることを改めて思う。阿部さんの信条は「お陰様という心」「感謝の心」「人を喜ばせる心」。

 数日間の活動であったが、校長先生を初めとする先生方の話、地元の方の話、漁師さんの話、阿部さんの話、そして生徒さん達との話、大変貴重な時間であった。帰りのホームに立った時、学生が言った。「またいつか、ここに来る」。その思いを友だちにつなげ、ひとりでも多くの学生が参加してくれることを祈る。