歴史学科 被災地支援ボランティア(2016年:宮城 2017年:福島)まとめ

 

【2016年度 歴史学科 被災地支援ボランティアin宮城】

 2017年2月8・9日、人文学部歴史学科の学生4名は、東京キャンパス・ボランティアセンターの支援のもと、宮城県でボランティアを行いました(歴史学科の教員遠藤ゆり子が引率)。

 8日は、仙台市にある東北大学災害国際科学研究所を訪れ、NPO法人宮城歴史資料保全ネットワーク(以下、宮城史料ネット)の活動に参加しました。当日は、被災地からレスキューされてきた襖から、下張に使われていた古文書を取り出す作業を行いました。何層にも張られた紙を霧吹きで濡らしては剥がし、記録を取って濡らして剥がす、という作業を繰り返します。指先がふやけてボロボロになりながら、みんなで古文書を取り出しました。このように被災地から救い出されてきた史料から、新たな歴史的な発見があるかもしれません。

 翌日の9日は、東北大学の佐藤先生のご案内で、石巻へスタディツアーに行きました。まだ復興なかばの市街地を車でめぐり、多くの被害者を出した大川小学校も訪れました。津波にのみ込まれてしまった校舎の様子を見て、被害の甚大さと恐ろしさを感じました。海からこれほど離れた校舎が、津波に襲われるとはとても信じられませんでした。また、震災時に人々が津波から逃げた日和山という戦国時代の城跡にも登りました。この城の麓にあった集落の建物は悉く津波にのまれ、ただ唯一、本間さんというお宅の土蔵のみが壊れずに建っていたそうです。現在は、土蔵にあった資料は宮城史料ネットなどに救い出され、土蔵は震災の被害を伝える象徴として公開されています。

 テレビの映像だけではわからない、震災による被害の大きさや復興の現状について学ぶことができました。また、被災しながらも救い出された史料を取り出す作業に携わることもできました。このような機会を与えてくださった宮城史料ネットの皆様、石巻の本間さんをはじめ関係者の皆様には、心より感謝申し上げます。

 

 

 

 

 

【2017年度 歴史学科 被災地支援ボランティアin福島】

 2018年2月22・23日、人文学部歴史学科の学生13名が、東京キャンパスのボランティアセンター協力のもと、福島県でボランティア活動に参加しました(引率は歴史学科教員の遠藤ゆり子)。

 22日は、福島県郡山市において、福島大学の学生とともに「ふくしま歴史資料保存ネットワーク」の資料保全活動をお手伝いしました。この日は、福島県の浜通りにある双葉郡富岡町から運ばれた近現代資料のレスキュー作業を行いました。富岡町は、東日本大震災による地震・津波、そして原子力発電所の事故の影響により、住民たちが避難を余儀なくされた地域です。資料には、被災する前の富岡町の歴史、人々の暮らしを伝える古文書・写真のほか、古い卒業記念品などもありました。大事な資料を1つ1つきれいにしてから、三脚に設置した一眼レフカメラで資料番号とともに撮影します。その上で、資料の名前をあれこれと考えながら目録を作成しました。福島大学の学生たちとお話ししながら、楽しく、けれども真剣にボランティアに取り組みました。

 翌日23日の午前中は、郡山市のNPO法人 富岡町3・11を語る会で語り人である渡辺さんの講話をうかがいました。震災時、避難時、そして現在のお話を、実際に体験した人からお話を聞くことで、新たに知ったり、感じたりすることが多くありました。午後は、白河市へと電車で移動し、江戸時代に白河藩の城であった国指定史跡の白河城(小峰城)を見学しました。この城は、震災で石垣が崩れ、復旧のための工事が続けられています。石垣の修復の様子もパネルで展示されており、地域のシンボルである城の復興の様子を学ぶことができました。

 学生たちは、震災から7年後の現状について知るとともに、歴史学を通して被災地の支援に多少なりとも関わることができました。このような機会を与えてくださった、福島歴史資料保存ネットワーク(代表 福島大学・阿部浩一氏)の皆様、富岡町役場の皆様、NPO法人 富岡町3・11を語る会の皆様、どうもありがとうございました。