2017年度 第5回 東日本大震災復興支援プログラム スタディツアーを実施しました。

 

平成30年2月14日~16日の2泊3日で第5回 東日本大震災復興支援プログラム スタディツアーが開催され、陸前高田、南三陸、石巻雄勝に被災地訪問しました。総合福祉学部学生7名、人文学部学生5名と引率教職員3名が参加しました。


【参加した学生の感想(レポート抜粋)】

 (総合福祉学部 社会福祉学科2年)

 三日間のスタディツアーを終え、率直に「この復興には終わりがあるのか」と感じた。陸前高田の博物館でお話を聞いたときに職員の方が「復興はものと情報のふたつがそろってからはじめてできるもので、はじめのうちは復旧をしていた」とおっしゃっていたが、本当に最初の段階は復旧の言葉の方があてはまっていた。

 これから先、復興が何年かかるかわからないが、今回実際に被災地に足をはこんだことを忘れてはならないと感じた。  私達にいまできることはなにかと考えた時にやはり、「伝えていくこと」「避難の準備をすること」と学んだ。実際に尋ねなければわからないことも多くあった。復興と同時に課題もみえた。絶対に忘れない、忘れてはならないスタディツアーだった。

 

(総合福祉学部 教育福祉学科2年)

 私は、このツアーに参加するまでは、「東日本大震災から7年経って、復興に近づいているだろう」と甘く考えていた。しかし、実際に現地での視察を通して7年経っても復興はまだまだ進んでいないし、むしろ私たちがあまりにものびのびと生活をしていることに対して言葉が出なかった。

現地の方が何度も繰り返し言っていた“津波てんでんこ”という言葉は、忘れてはいけない言葉であり、みんなにも伝えるべき言葉である。 “てんでんこ”は、「てんでばらばらに」の方言で、津波のときは家族さえ構わずに、1人でも高台に走って逃げろという意味であり、家族や集落の全滅を防ぐために語り継がれてきている。私が家族や友人に伝えてこの言葉が何人の人の記憶に残るかはわからないが、真剣に災害について考え、自分・家族・友人の身に危険が及んだ際に伝えていきたいと強く思った。

 

(総合福祉学部 教育福祉学科2年)

私が今回このスタディツアーに参加した理由は、実際に見聞きし、体で感じたいと思ったからである。また、母の親戚の家が流され、5人家族のうち3人が亡くなり、とてもつらい思いをした経験したからである。実際に行って布団やランドセル、服や靴など、様々なものを寄付し、道と呼べるのか疑問に思うような道をひたすらに車で走った記憶がある。

私は今回このボランティアを通して、様々な人たちの話を聞き、自分なりに考えることができたように思う。このような被害を、もう二度と繰り返さないために、知恵と経験を共有して、信念を持って、その信念を貫いていく必要があると考える。私たちは過去の思い出にしてはならない。生き残っている私たちにはそのような使命があり、しっかりと伝えていかなければならないのだと強く感じた。また、ぜひ家族ができてからも訪れたい。

 

(総合福祉学部 教育福祉学科2年)

 今回のスタディツアーで解説してくれた方々が皆口を揃えておっしゃっていた言葉が「津波がくるかもしれないときは遠くに逃げるのではなく1メートルでも高いところに逃げなさい」ということである。この言葉が津波の恐ろしさをものすごく伝えてくれていると私は思った。また、いつ、誰が災害に遭うか分からないので準備をしておけということもおっしゃっていた。これを機に私は災害などの準備をしっかりとしておこうと思う。また、今回のツアーで学んだことを自分の中だけで終わらせるのではなくたくさんの人に発信していきたくさんの人が被災地に行ったりして災害についてもう一度考えてみてほしいと思った。

 

(人文学部 表現学科3年)

このスタディツアーから震災で多くの人を失った今でも、逞しく生きている現地の人たちの姿に共感し、改めて命の価値というものを三日間通して強く学べたと思います。私はこの陸前高田市の現状を通して、現地の人たちがおっしゃった「命を諦めるな」という言葉を大切にし、これからの人生にも活かしていきたいと思いました。

 

 

(人文学部 表現学科1年)

東日本大震災から七年が経過した今日、甚大な被害を受けた陸前高田市、南三陸町、雄勝町の変化を自分の目で見ること、そして、現地の方や復興に携わった方が何を感じ、何を見てきたのかを学ぶために、スタディツアーに参加しました。そして、このスタディツアーを通して実際に現状をみることで、メディアを通した「視聴者に届けるための東日本大震災の被災地」ではない「ありのままの被災地」を見ることができました。

 

【引率した教職員の感想】

地元では、改めて各自が「津波てんでんこ」を認識し、高さを第一とする避難が有効との認識が浸透している。かさ上げした土地や堤防に対しては、津波への備えとしては、どんなに高く人工構築物を積み上げたとしても、自然の力に対してはあまりにも脆弱であるとの思いがあるのと感じている。それほどまでに、大きな力を経験したからであろう。アバッセたかたや南三陸さんさん商店街、雄勝店こ屋商店街は、復興の兆しはあるが、人口が少なくなった被災地でどこまで耐えられるかが懸念される。特に多くの小中学校では、統廃合が続き、就職先を求めて移り住んでいった家族と児童・生徒の苦悩を感じた。参加した学生からは、「まだまだ復興には遠い現実に驚いた」や「災害から身を守るための日頃の付き合いの重要性の再認識」や、「貴重な経験を多くの人に伝えたい」など、今回のスタディツアーでの成果を語っていた。みのりの多いフィールドワークであった。