企業経営研究Ⅰ 講演記録1

社団法人 埼玉県経営者協会 専務理事 根岸茂文氏

伊藤学部長より講師紹介

企業経営Ⅰ講演

企業経営研究Iの最初の外部講師の講演として、社団法人、埼玉県経営者協会の専務理事の根岸茂文氏に来ていただきました。根岸先生は、 銀行に勤められた後、専務理事をなさっており、小中学校でのマネジメントの講師もしていらっしゃいます。

根岸先生の講義

今日の私の講演は「日本経済について」「埼玉県経営者協会について」「働くことについて」の三つの話からなっています。

最初に、日本の経済はどういう状況かについてお話をします。日本のGDPは世界第三位ではありますが、貨幣の購買力の視点では、中国やイ ンドより下がっています。高齢社会では人口問題が大きく変わります。この10年間で、埼玉県の人口は増加していますが、その内訳は65歳 以上の人口が増えていることがその要因です。社団法人 埼玉県経営者協会 根岸茂文氏2035年までに、生産年齢人口(15歳から64歳)は117万人減っていきます。埼玉県は今後25年間 で老人が増え、老人ホーム等が必要になります。グローバル化は国内企業の空洞化ではなく、商売の生産性(効率性)が海外進出によって上 がると考えています。それは、海外に展開する企業の方が雇用を増やしていることからも明らかです。グローバル化が進むと皆さんが知ら ない中小企業も海外進出をします。海外進出をする企業では、英語を話せるだけではなく、誰に何を伝えたいのかをはっきり伝えることが できる論理的な能力が重要になります。日本語でこれができなければ、英語ではもっとできません。グローバル化が進むとこういった能力 も求められます。

次に、埼玉経営者団体は何をしているのかを述べます。埼玉県経営者協会は日本経団連の傘下の組織です。社長は社員の何倍も勉強しなけ ればならないため、政治や経営、安全保障といったセミナープログラムを1年間に60ほど作り、経営者に参加を求めることも行っています。 埼玉経営者協会は、経済団体としての仕事だけでなく、教育や労働の問題にも関わり、広く、行政や障害者雇用といった問題も考えていま す。セミナーの企画も行っています。

最後に、皆さんに向けて私が仕事に対して考えていることを述べます。インターンシップ等で言っていることですが、働くこととは自分の 弱さを知ることです。安定を求めるのではなく、自分をぶつけられる仕事を求めることです。自分に向いている仕事とやりがいのある仕事 は違います。自分に向いているかどうかは周囲が判断するので、適性検査に振り回されないようにしてください。仕事では、苦手なこと、 つまらないことにやりがいを感じることがあるかもしれません。仕事に嫌になったときこそ、自分の原点に戻って何をしたいのかを考え直 すことです。私は、いろんな困難に遭遇したときに上を向く、前を向くとチャンスが運ばれてくると信じています。

会場からの質問

  • 今の仕事でやりがいのあることは何ですか。

この仕事を通して教育や福祉に関わること、そのようなことに働きかけができたことです。

  • この仕事に満足しているとのことですが、この仕事がなかったらどんな仕事についていましたか。

昔は学校の先生になりたかったです。話が面白いにしろ、つまらないにしろ、何かひとつでも相手にメッセージを伝えられる仕事に就きた いと思っていました。
その点で、今回のような講演を通して、私の話に無関心であることが一番困ります。

関連リンク 社団法人 
埼玉県経営者協会
http://www.saitamakeikyo.or.jp/

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