2012年11月アーカイブ

第3回目の企業経営研究Ⅰ(平成24年10月24日)の講義テーマは「地域経済の発展と地域金融機関の役割」でした。お話くださったのは、武蔵野銀行常務取締役石川誠氏です。講義の内容は、「MUSASHINOBANK DISCLOSURE」、「調査レポート」および講義用資料「海外進出企業について」を利用して行われました。概要は以下のとおりです。

武蔵野銀行は今年3月で創業60周年を迎えました。これまで地域の取引先企業や個人顧客に支えられて直実に発展してきました。それは経営理念「地域共存」と「顧客尊重」を順守し、地域経済・社会に密着した経営を続けてきた成果だと思っています。銀行の発展は地域の発展がなければできないと考えています。

60周年記念事業として、埼玉県が設置した基金への寄付、大宮アルディージャとトップパートナー契約を締結、また記念コンサートを開催しました。テレビコマーシャル用に作成したDVDがコマーシャル部門で受賞しました。またCSR(企業の社会的責任)への取り組みも積極的に行っています。活動内容はディスクロージャー誌に詳しく書いてありますので見てください。武蔵野銀行のCSRの基本方針として「地域経済への貢献」「地域社会への貢献」「環境への配慮」を掲げ、地域の発展に貢献する活動を行っています。また新成長分野として農業分野、医療・福祉分野への取り組み、創業・新事業を支援しています。

 

県内7つの大学と提携して研究開発や経営課題の解決といった取引先企業のニーズにお応えしています。さらに銀行の子会社・関連会社を含めたぶぎんグループの総合力を発揮してきめ細かいサービスを提供しています。

また、経済のグローバル化に伴って海外進出する取引先企業が増えてきました。「調査レポート」は、埼玉県内企業の海外進出状況を調査したものです。「すでに海外進出している企業」は、回答のあった企業の約3割を占めています。武蔵野銀行も海外進出を計画している取引先を支援するために、タイやインドネシアの銀行と業務提携しています。

 

 

 

企業の海外進出は、国内産業の空洞化につながる心配があるので良いことばかりではありません。それでも取引先企業が成長して地域経済が発展するために必要な支援、サービスは積極的に行っていきたいと考えています。

 観光経営研究Ⅰの第4弾は、11月28日 東武動物公園 取締役統括本部長 伴光雄氏様を講師にお迎えし、「テーマパーク 動物園の経営」をテーマにお話をしていただきました。

 動物展示の工夫や、動物への餌付け体験など、来園者が楽しめる仕掛け作りなどで、売上げの増大と費用の削減に不断の努力をしていること。動物園だけではなく遊園地やプールなどを併設して安定的な経営基盤づくりをしていること。また、冬季イルミネーションなど季節イベントの企画実施や、新しい遊具アトラクションへの投資に莫大な資金が必要であること。私たちが知らないテーマパークの裏側のお話しを聴くことができました。 講義の最中には、クイズに正解すると特製グッズのプレゼントがあり、笑いと真剣さの両方のある楽しい講義でした。

 

これから講義が始まります 

 

 

笑いもある楽しい講義でした

 

企業経営研究Ⅰ第2回目の講義は、「障がい者雇用と会社経営を考える」でした。お話くださったのは、㈱倉業サービスの代表取締役会長市川浩氏です。つぎのようなお話でした。

日本には250万社以上の企業があります。企業がこれだけ多くあって仕事が続けられるのは、大企業のコアの仕事をカバーするために多くの中小企業がかかわっているからです。特徴ある中小企業の支えがなければ、大企業といえども存続できません。㈱倉業サービスは、倉庫のデジタル化、作業のデジタル化で差別化し競争力のある会社にしようと努力し経営資源を投下しています。

富士見市で営業活動を始めたころ養護学校から、実習生の受け入れ要請がありました。少しでも自立の役に立てればと思い快諾しました。しかしふれあいの経験もなく、さまざまな苦労がありましたが、今では、彼らの特性を生かした仕事を考えだしていく過程で、多くの仕事が効率的になっています。作業単位を小さくわけて仕事を単純化しました。また、必ずしも費用面で有利とはいえませんが、彼らの働く場所を作るために段ボールの中に詰める保護クッション材の機械を購入しました。それによって、いつでも社内で保護材ができるというメリットが生じました。このように作業工程を工夫することで、ミスを防ぐとともに彼らと仕事を共有できるし、わかりやすい作業にすることで作業効率があがるということがわかりました。

ただ経済の回復がままならず、行政も予算不足で、彼らの特殊な能力を育てることができないのが現状で大変残念です。また、就職先についても、多くの地元の団体などから情報をえてご協力を得たいものです。企業は障がい者助成の制度があり雇用が義務づけられています。企業にはそうした制度がありながら、他方で、その政策の促進を求める国や役所自身は、障がい者のために職場を解放していません。彼らに自身で自立できる生活の場を提供すべきではないでしょうか。

学生のみなさんが大学卒業後に、それぞれの職場で彼らのよき理解者になっていただくことを願っています。

小江戸川越観光協会会長の特別講義を受けました。

 観光経営研究Ⅰの第4弾は、11月14日 小江戸川越観光協会会長 粂原恒久様を講師にお迎えし、「小江戸川越の観光まちづくり―蔵造りの町並み整備と、観光計画の進捗等」と題してお話をしていただきました。

 電線の地中化や蔵造の町並み整備の歴史、市の観光計画に基づく観光拠点の整備とそれらの有機的な結合・連携により、川越市の魅力増強や、観光客の来訪エリアの拡大という観光施策について解説いただきました。また、川越市は日帰り観光客が多いため、観光収入増加という課題解決に向けた事業についても事例をあげてお話いただきました。 

粂原会長の熱のこもった講義に引き込まれます。

 

 

川越の観光マップ

 

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