2020年にオリンピック開催を控える東京。
今後観光に関するハード、ソフト面でも東京のまちの様相は変化していくものと思われます。
台東区は博物館や美術館など文化的な施設が集まる上野や下町の風情を色濃く残す浅草など、
多彩な表情を持つ地区を擁しており、国内外から年間4,500万人以上が訪れる東京でも代表的な観光エリアの一つです。
観光メディア論の研究に取り組む千葉ゼミと観光地のプランニングを研究する堀木ゼミの2年生計21名が
台東区役所と旅館澤の屋を訪れ、今後の変化に直面する行政と宿泊施設、それぞれの取り組みについて学びました。
当日、まず訪れたのは台東区役所の観光課。
2020年の東京オリンピック開催を控え、観光客は今後さらに増加すると予想されますが、
台東区はどのような考え方で観光振興に取り組んでいるのでしょうか。
【区役所の会議室で「台東区観光振興計画」についてレクチャーを受けました】
台東区は今年3月に「台東区観光振興計画」を策定、
2020年オリンピック・パラリンピックに向け区民が一丸となって優先的に取り組む施策を「重点プラン」と位置づけているとのこと。
その内容は観光バスの駐車場対策から外国人に向けたスムースな情報提供、
区民によるおもてなしの心の育成まで非常に多岐にわたります。
観光に関する取り組みが非常に幅広い領域に及んでいることを知り、
今後自分たちが観光について学んでいく視点について考えるきっかけとなりました。
区役所でのレクチャーを受けた後は、
区の重点プランの内容を思い出しアメ横や上野公園を見学しながら、
下町の風情が残る谷中地区へ歩いて移動。
【日差しが強いものの多くの人で賑わうアメヤ横丁】
【まち歩きの途中、緑あふれる上野公園に立寄り】
炎天下での移動に疲れも色濃くなった頃、「旅館 澤の屋」に到着。
海外から訪れる観光客がますます増加する中、
台東区内にもこれら外国人を受け入れる様々な宿泊施設がありますが、
その中でも「旅館 澤の屋」は極めてユニークな存在です。
宿泊客の90%を占めるという海外からの個人旅行者は
何を求めて澤の屋へやって来るのでしょうか。
【澤の屋の館内でご主人の澤功さんがレクチャーして下さいました】
館内を見学させていただいた後、ご主人の澤功さんからレクチャーを受けました。
澤の屋が外国人から絶大な支持を得ている背景には、
日本と海外の文化習慣の違いを理解した上で受け入れを行っていること、
長期滞在に対応するため館内だけでサービスを完結させず施設周辺のまちと連携していること、
規模拡大をせず家族旅館のスタイルを維持していることなど、様々な取り組みがあることを学びました。
炎天下、昼食休憩も含めて5時間のプログラムは体力も消耗しましたが、
今後それぞれのゼミでの研究内容について検討する貴重な機会となりました。
ご対応下さった台東区観光課の平林様、青木様、
旅館澤の屋の澤功様はじめスタッフの皆様、どうも有り難うございました。