実践心理学科 神先生へのインタビュー2

圧倒的に複雑で、そして圧倒的に重要なのは人間だ


――わたし神さんにとても興味があるんですよ。

 

はあ、なんで。

 

――神さんの授業が好きで、多分、もともと社会心理学系に少し興味があったからだと思うんですけど、面白い人だなあって思っていつも授業受けてました。

 

それは嬉しいな。中坪ゼミの学生にそれ言われると嬉しいな(笑)

 

一同:(笑)

 

――僕は先生の授業の題材とか本当に好きですね、消費者心理学とかすごい面白かったですけど、組織心理学もすごく面白かったですね。

 

うん。でも最近ちょっとね、なかなか悩んでるんですよ(笑)授業、昔ほど反応が良くなくなってきてるので、その年によってだいぶ変わるんだよね。

 

――うーん。

――心理学科のキャッチコピー考えようみたいなとき、絶対使われると思ったんですけど、まったく載ってなくて。

 

学生の相互評価だからね(笑)

 

――学生の心を掴まなかったんですね。

――掴めなかったね。

 

でも、本当の高校生にはいいのかも知れないんだけどね。在学生にはそれほど引っかからなくても、高校生には響くかもしれないっていうのは本当はあるんですけど、分かんないので、残念ながら。

 

――そうなんですよね。

先生の学生時代のお話を聞いてもよろしいですか?

 

どうぞどうぞ。

 

――学生時代は何か、大学だったらサークルとか、中高とか、部活とか何かやられてましたか?

 

ちゃんとまともに部活をやったといえるのは、中学校の時に卓球をやってました。チームプレイがあまり好きじゃないんだよね。

 

――なるほど。

 

つまり、チームプレイが嫌いなわけではなくて、チームプレイで失敗するときに対する恐怖みたいなものって、

 

――わかります。卓球だったら本当にそういうメンタルついちゃいますもんね。

 

うんうん、そうなんだよねきっとね。あとはもう、大学3,4年くらいから本当研究生活になったというか。みんなで研究、実験をちゃんとやろうとするとすごい大変なんだよ。

 

――うーん。

 

なんて言うんでしょうね。実験手伝ってもらう人がたくさん必要になったりするんで、それをまず動員したり、相談したりしなきゃいけなくなるので、3年の後半くらいからずーっと研究、つまり実験の準備して動員して、みたいな生活に入ったので、圧倒的に研究になっちゃうんだよね。

 

――なんか学生時代にやった研究の中で一番覚えてるのってなんかあります?印象に残ったものとか。

 

差別行動の研究とか、わりと学生時代はやってたんだけど。あとは社会的ジレンマの研究とかしてたね。

 

――なるほど。先生はなんで心理学の道に進もうと思われたんでしょう。

 

僕はもともと動物をやりたかったんですよ。

 

――ああ。

 

動物の行動って面白いなあって、それを研究したいなあって思っていて。ただ、面白いなって思っていたのは、例えば動物自体も面白いんだけど、昆虫とかも面白いなあって。アリとかの世界ってすごい面白いなと思っていて、

 

――うん。

 

それで、心理学の、動物行動学のゼミの入れる学科に入ったわけ。そこには当然動物行動じゃなくて人間の行動もいけるというか、そういう研究ゼミもあったので、いろんなゼミの話を聞いてるときに、動物面白いって思ってたけど、でも圧倒的に複雑で、そして圧倒的に重要なのは人間だなって思って、

 

――うんうん。

 

動物なんかよりも人間のほうがおもしれえなって、人間の社会はうまくいっているとか、あるいはうまくいかなくなるというのが何でなのか、それがわかって、うまくいかなくなりそうな時に対応するみたいなことが、出来たほうがいいよなあって。それで社会心理学なんですよね。

 

――おお、なるほど。

 

だからそういう意味では組織とか、集団とか、社会みたいなものに役立つ心理学だから特に

面白いなって。

 

――うんうん。

 

――私は社会心理学概論の授業が特に好きだったんですけど、多分一年生の時って、入学してすぐ、心理学の話をもっと聞けるのかと思っていたら、英語とかそういう勉強ばかりで、ちょっとげんなりしてる時があって。その時の社会心理学概論で、きた­ー!って思って授業受けてたからだと思うんですよね(笑)

――いきなりの社会心理学概論ね、確かに僕もそうです。

 

なるほどね。

 

――こういうの待ってましたみたいな(笑)

――思った思った俺も思った(笑)

 

一同:(笑)

 

なるほど(笑)

 

――そういう意味では一番テンションの上がる授業ではありましたね。

 

確かにね、それは嬉しいよ、純粋にうれしいですね。ネタ勝負をしているので一応、授業はネタを。

 

――まだまだ取らなきゃいけないんですけど、えっと、なんかある?

――わたし的には話が戻ってしまいますけど、研究職、心理職について楽しかった話が聞きたくて。

 

うんうん。あのね、難しい話を分かりやすく話したい欲求がたぶんあって、うまくいかないことも多いんですけどもちろん。でも、当然わからねえよみたいな顔してる学生の人たちに分からせて、「ああ」って顔してもらえるとやっぱり嬉しい。

 

――うん。

 

教える方の喜びみたいなものはありますね。あとは、僕はゼミとして、学生と大量に研究するので、こう、凄まじく苦労させるので(笑)

 

――結構よく聞きますねその噂は(笑)

 

鬼かって思われるような(笑)

 

――そうなんだ(笑)

 

そんな事態になるので、この間卒業生の結婚式に行ってお母さんに、いろいろ聞いてますよとかって言われて(笑)

 

一同:(笑)

 

――お母さんに話したくなるほど厳しかったんですね(笑)

 

でも、最後出ていく時っていうか、卒業するときはみんな、このゼミ来てよかったですって言ってくれるので、

 

――うん。

 

認知的不協和を解消してるだけなんだけど(笑)そうやって一緒に面白いこと見つけて、お互い楽しかったねって思えることはすごく楽しいんですよやっぱり。

 

――うん。

――そういう経験って貴重ですよね、学生時代のそういう。

 

そうですね。いかにそういう経験を学生さんと出来るかなっていうのがやっぱり、やりたいところなんですよね。

 

――神先生のゼミの卒論を書くための実験とか参加しましたけど、結構みんな楽しそうにやってますよね。

 

まあね、あれ準備ものすごい大変なんだよ、実験の準備とか…鬼だよ。

 

一同:(笑)

 

平気で修正を求めるので、わかんないなこれ、こういう風にやるとわかりやすいんじゃない?っていう感じで、急に変更みたいな。理不尽なクライアントに振り回されるシステムエンジニアみたいな状況に皆さんなって(笑)

 

――なるほど。

 

はあってなりながらやるっていう、かわいそうに。

 

一同:(笑)