2013年3月アーカイブ

心理学は「心」について学ぶ学問ですが、あらためて“「心」って何だろう?”と問われたら、みなさんはどのように答えますか?

 

実践心理学科に入学したばかりの1年生に、「心はどこにあると思いますか?」と聞いてみたところ、一番多かったのは「脳」でした。

 その理由は「考えるのは脳だから」「そこから感情を表していると思うから」、また「脳から伝達される情報の中に感情などの心といわれる情報もその中に含まれていると思うから」という、ちょっと専門的な意見もありました。

めざましく発達している脳科学の考え方が、詳しくは知らなくても、私たちの素朴な感覚に影響を与えているところもあるかもしれません。

 

 「脳」に次いで多く挙げられていたのは、「心臓」や「胸」でした。

「悲しい時は胸は重くなるし、楽しい時はドキドキするから」

「命と同じくらい大切だから」

「なんとなくそんなイメージ」

「大切なところだから」

「脳」と答えた場合よりは漠然とした感じもありながら、より実感をもって感じられるのが「心臓」ということでしょうか。

 

 「脳」か「心臓」かどちらとも言えない、どちらもあり、という人もいました。

「脳か心臓。どちらも生きる上での大切な部分で、感情とかそういうものも同じくらい大切だと思うから」

「脳に近いところにも心臓に近いところにもありそう。感情から笑うにも怒るにも、その時、体を動かすのは脳だから」。

脳や心臓に「近いところ」という感覚も、なかなか興味深いところです。

 

 この他、こんな意見もありました。

「目や耳。見たり聞いたりして感じるから」

「体全体にある」

「どこにでもある。感情が表れるのはどこにでも表れると思うから」

これもおもしろい見方ですね。

「脳」や「心臓」は、そこが発信源や司令塔のようなイメージもありますが、「どこにでも」となると、チーム(?)全体で動いているような感じでしょうか。

 

 次の意見はどうでしょう。

「他人(他人に左右されるから)」

「自分の内面にある。全部外側に出せている訳ではないので」

 この2つは正反対のようで、目にみえにくいところに心のありかを考えている点は、少し似ているかもしれません。

 

 “心はどこにあるか”、様々なイメージがありましたが、このどれが唯一の正解ということはありません。どれもが“心”のある側面を言い当てていると思います。

 また、いろいろな場所が出ましたが、心を「感情」とむすびつけているところは共通していたようです。

“心とは感情のこと”と考えるのも、私たちの自然な心かもしれませんね。

 

ただ、「心理学」には本当にいろんな考え方があり、大学に入って勉強を始めると、「え、これも心理学?」「イメージしてたのと違った!」と戸惑うことも多いようです。

 でもそう思いながら授業に出ていると、だんだん「こういうのもありかも」と、新しいおもしろさを発見していったりもしています。

 

 みなさんも、どうぞいろんな心理学に出会って、考え方の幅を広げながら、自分にフィットする心理学もみつけていってくださいね。

 

 

 



 

(1年生のゼミで合宿をした時の写真です)



卒業研究報告会

 

神ゼミでは、2013年1月25日に、本年度の卒業研究の報告会を行いました。

今年の4年生は、例年の半分以下の6人でしたが、各々が設定した意義深いテーマについて研究を行い、その内容を論文に書き上げました。

報告会では、その論文の内容についてパワーポイントを用いて分かりやすく説明してくれました。

 

 

 

 

 

 四釜脩さんの卒業研究は、「リーダーへの支援 ~理由は義理か愛か~」という題目で、集団のメンバーが「リーダーを支えたい」と思う時の心理について検討したものでした。

就活などで時間的制約がある中で、複雑な実験状況を分かりやすく説明する実験教示を作成し、非常に高いレベルの社会心理学実験を実施しました (→)。

 

 

 

 

 

村田典子さんの卒業研究は、「ハマる心理・やめる心理 ~ソーシャルゲームの甘いワナ~」という題目で、多額の課金など、ソーシャルゲームにはまってしまう心理や、そこから抜け出すための方法を探るものでした。

緻密に作られた質問紙で調査を行い、結果を丁寧に整理することから、抜け出す方法についての提言まで行いました。

 

 

 

 

伊場夏海さんの卒業研究(→)は、「あなた、『買っちゃう人』ですよね? ~非計画購買における個人属性との関連性~」という題目で、どのような人が、どのような文房具や雑貨を衝動買いしたくなるのかについて検討したものでした。

周到な予備調査に基づいて質問紙を作成し、その調査結果を多変量解析等によって分析した優れた研究でした。

 

 

 

 

 

 

川口貴史さんの卒業研究は、「心理的リアクタンスについて考えてみた」という題目で、他人を説得する際、自分の主張が正しいと思っている人ほど、相手が反発するような言い方をしてしまうのは一体なぜなのか、その理由について、これまでにない視点から考察したものでした。

発表もとても楽しいものでした。

 

 

 

 

 

 

 

長井馨さんの卒業研究の題目は、「人間が友人と時間を共有することの意味」でした。

友人と「楽しい時間を過ごしたい」と思うのはなぜなのか。この問題を検討するために、よく準備された場面想定法質問紙調査を行いました。

調査結果は非常に興味深く、このテーマについては、今後のさらなる研究が期待されます。

 

 

 

 

長谷川加奈さんの卒業研究は「分からない人はなぜ分からない」という題目で、教える側が分かるように説明したつもりでも、分かって貰えないのはなぜかという重要なテーマを扱ったものです。

教える側も分からない、教えられる側はどこが分からないのかを、グループインタビューの内容をもとに整理・検討しました。

 

 

 

 

 

 

神ゼミの4年生の皆さん、1年間お疲れ様でした。そして、ご卒業おめでとうございます。

 

 

 

 

 

 

 

 

本来は1月のブログ担当だった、神信人です。大幅に遅れてしまい、申し訳ありません。

 

 

 

 

 

神ゼミの卒業論文や修士論文では、様々な心理学的現象について、厳密な実験室実験や質問紙調査を行います。

今回は、そうした研究で使用される実験室を紹介したいと思います。

淑徳大学総合福祉学部学千葉キャンパスの12号館1階の奥には、「カウンセリングルーム」と呼ばれる実験室が幾つかあります。

それぞれの部屋は、どれも右のようになっています。

 

 

 

 

 

  

 

 
 神ゼミの研究では、ここを利用して集団実験を行うことがよくあります。
 
 そうした集団実験では、参加者間の匿名性保持が重視されることが多く、その場合は、複数 の参加者をそれぞれ個室に通し、パソコン画面のみを介してやりとりをさせます。
 
 そのような実験を行う場合は、先ほどの部屋を、右のようにさらに3部屋に分けます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

この部屋を区切る壁はパイプと布でできていて、必要な時だけ設置し、必要ないときは倉庫にしまえる可動式になっています。

また小部屋の中にいる参加者は、手元に置かれたスイッチを押すことで、カーテンの外にいる実験者を呼ぶこともできす。

この可動式の壁は、卒業後リフォームの会社に就職した神ゼミの先輩の力作です。

 

 

 

 

 

 

 

 部屋を三つの小部屋に仕切る可動式の壁は、全部で3つあり、三室×3=9小部屋で、一度に9人の実験参加者に互いに顔を合わすことなくやりとりをさせることができます。

 完全非対面型の実験をこれ以上の規模で行える心理学研究室は、日本国内に数えるほどしかありません。

 つまり、集団実験の環境という点では、淑徳大学実践心理学科は国内でも有数の環境にあると言えます。






淑徳大学の風景

 

淑徳大学の千葉キャンパスでは,季節ごとにさまざまな風景がみられます。

その一部を写真で紹介します。

 

 

 

春には桜がきれいに咲きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海の方に見える夏の空は迫力があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秋にかけては紅葉もきれいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冬の風景は淋しいので写真に撮っていません。

もうすぐ桜が咲くのが楽しみです。