2019年7月アーカイブ

社会福祉士・精神保健福祉士受験対策夏期合宿を開催!

藤野達也・伊藤千尋

 社会福祉学科では、毎年「受験対策夏期合宿」を開催しています。

夏休みに入る前に、「模擬試験+グループ学習」で学習体力を養うことが目的です。

今年は108名の社会福祉士・精神保健福祉士を目指す学生たちが参加しました。

合宿では午前中に模擬試験、午後はグループ学習と18時間、みっちり勉強します。

夕方には昨年度合格した先輩も駆けつけて、資格が今の仕事にどのように役立っているのか、苦手科目の勉強方法など、盛りだくさんのメッセージを届けてくれました。

勉強漬けの2日間を過ごし、学生たちはそれぞれ小さな達成感を味わったようです。

合宿での経験が、残り半年間の学生たちを支えてくれることを信じています。

国試夏合宿の様子写真:本番と同様の緊張感の中、模擬試験がスタート

 

国試合宿の様子写真:4人グループに分かれての調べ学習

国試合宿の様子写真:先輩からのメッセージ

 

国試夏合宿写真:夕食バイキングでリフレッシュ

EPA日越経済連携協定に基づく介護福祉士候補者との国際交流

 

毎年恒例ですが国際交流イベントとして、社会福祉学科の学生152人とベトナム人介護福祉士候補者178人との交流を行いました。

ベトナ人介護福祉士候補者は、ベトナムの大学等で看護を学び、EPAの研修所では朝から晩まで1年間日本語を勉強してJLPT(日本語能力試験)N3に合格され来日されました。

N3を持っていますので日常会話は十分に可能で、本学の学生と文化、食事、流行、福祉、恋愛などさまざまなテーマについてそれぞれの国の共通点や違いを日本語で話し合っておりました。

また、3月に国際交流で訪越した本学の女子学生5人も参加してくれお互いの再会を喜び合っていました。

あいにくの雨のため外での全体写真を撮ることはできませんでしたが、終了後はそれぞれ写真を撮り合ったり、和気あいあいと楽しいひと時を過ごしておりました。

(藤野) EPA国際交流

 EPA国際交流 EPA国際交流EPA国際交流 

 

 

   

白旗七夕まつり社会福祉学科の学生らの参加(地域活動)

結城康博(文責)

 

 毎年、実施されている「白旗七夕まつり」に、7月6日(土)淑徳大学として参加しました。

社会福祉学科の学生らも元気に活躍していました。

今年は、社会福祉学科3学年の学生が(ボランティアセンター所属)、総合司会を務め、まつりを大いに盛り上げていました。

大学として地域の方々と交流するのも勉強になり、参加した社会福祉学科の学生もたのしく過ごしていました。

白旗七夕まつり総合司会イベントの総合司会を務める社会福祉3学年の学生

 白旗七夕まつりに参加した学科学生の様子

白旗七夕まつりに参加した社会福祉学科の学生ら

白旗七夕まつりの様子

白旗七夕まつりの様子

社会福祉学科と看護学科の合同授業が実施される(627日)

~「マイケル・サンデル白熱教室」を参考にした全体会授業でも活発な議論~

結城康博(文責)

 

 社会福祉学科(4年生約10名)及び看護学科(4年生10名)の合同授業が、627日(木)3、4.5限=計3コマ実施されました。

テーマは、「出生前診断を専門職の立場で」という設定で、全体会及びグループワークなど、社会福祉と看護の視点から、各自ディスカッションを交えて行われました。

 グループワークでは、「患者が出生前診断」について相談に来たと仮定して、社会福祉士と看護師の立場から、どのようなアドバイス及び情報提供ができるかなどといった事を、それぞれ学んできた専門知識を基に議論を展開していました。


社会福祉学科と看護学科の合同授業 グループに分かれて社会福祉と看護学科の学生がディスカッションする様子

 

 そして、全体会では、「出生前診断における社会システム化について」、賛成か反対かの意見交換を「マイケル・サンデル白熱教室」を参考にした授業形態で実施されました。

総勢300人以上の福祉及び看護の学生の中で、ランダムにあてられた各自学生が賛成もしく反対の意見を論じて、白熱教室のような授業を展開されました。

その議論においては、各学科の教員も参加して「学生と学生」、「学生と教員」といった議論のやりとりが繰り広げられました。

 学生らの授業後のリアペにも、「学科を越えた授業を経験でき、来年、現場で働くためにも経験ができた」といった感想が寄せられました。


看護と福祉の合同授業

活発な議論がなされた全体会

1年生クラスの研究合宿[渋谷先生のCクラス]

 

社会福祉学科には1年生が全員受講する科目として「相談援助演習」があります。

1クラス20名程度で、担任の先生が授業をすすめます。

そのうちの一つ、渋谷先生のCクラスでは6月29~30日に、一泊二日で河口湖に行ってきました。

 9時に大学をバスで出発し、13時に河口湖の湖畔にあるホテルに到着。

渋谷先生1年生クラス合宿

 

昼食後に90分の授業を2コマ行ないました。

夕食後は一人一品のお菓子を持ち寄ってジュースで乾杯。

入学してから3ケ月が終わりますが、クラスの絆が強まった感じでした。

 

翌日は大石公園のラベンダー畑の見物、ジャム作り体験、猿回しの観覧をして、山梨名物「ほうとう」の昼食。

梅雨の真っ最中なので、富士山は半分から上は雲がかかってましたが、傘を出すこともなく観光ができました。

高速道路の渋滞もなく、16時には大学へ帰ってきました。

渋谷先生1年生ゼミ

 

「子ども虐待の理解と対応」について学ぶ―ある高校3年生Aさんの場合(その3:卒業に向けて)

淑徳大学総合福祉学部社会福祉学科教授  柏女 霊峰

4.就職内定、卒業論文の作成と発表

 4年生になると、6月から始まる関東近県・市の地方公務員福祉職試験の受験をしつつ、社会福祉専門研究Ⅲ、Ⅳ、総合課題研究(ゼミナール)の演習で卒業論文の制作に取り組んでいきました。

Aさんの卒業論文のテーマは、3年ゼミで報告したレポートをさらに深めるため、「児童相談所における被虐待児童の心のケアサービスの今後のあり方」としました。

卒業論文作成の傍らAさんは〇〇県の福祉職試験に合格し、地方公務員福祉職として就職することが内定しました。

その年の年末、14:40から18:00まで、柏女ゼミ(「社会福祉専門研究Ⅳ」、「総合課題研究」)の卒業論文発表会が開催されました。

15名すべてが、それぞれの調査・考察と思いを込めた報告を行いました。

発表は学籍番号順に各自10分間とし、発表者は各自発表抄録(A3:1枚)を全員分用意します。

発表内容は、論文の目的、方法、倫理的配慮、構成、設定した仮説と調査の結果、考察のポイント、論文作成の感想を含めます。

3年生は授業の一環として聴講し、その他の方々の参加も自由としています。

大学院生並びに2年ゼミ候補生も複数参加しました。

 15名全員の発表が無事終わると、学生たちから笑顔がこぼれます。

緊張が解けてほっとした瞬間です。

大学院生にもご参加いただいて全員で記念写真を撮りました。

その後は、参加可能な学生たちとともに打ち上げに出かけました。

Aさんも充実した気持ちで懇親会では、大いに盛り上がりました。

 

5.社会福祉士試験合格と旅立ち

 卒業論文発表会が終わると社会福祉士試験をめざす学生たちは、1月末頃―2月上旬週末の試験日に向けて追い込みに入ります。

ここ数年、現役受験生の合格率は50%を超えています。

それでも2人に1人しか合格できないので、気を抜くことはできません。

Aさんも受験しました。そして、試験の翌々日に、3年生による4年生の追いコンもありました。

Aさんは、試験を終えた開放感からか飲みすぎてしまい、友人宅に泊まることになってしまいました。

 315日卒業式の日に、社会福祉士試験合格を知りました。

卒業式を終え、Aさんは、この4年間を感慨深く振り返りました。

思えば、高校3年生の6月にオープンキャンパスで何気なく聞いた「子ども虐待の理解手と対応」の模擬授業が出発点だったのだなと。

そして、ゼミ訓をつぶやいていました。

「自分を大切に生きよう/ 他人(ひと)を大切に生きよう/ 精一杯生きよう」

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卒業に向けて編 終了 

「子ども虐待の理解と対応」について学ぶ―ある高校3年生Aさんの場合(その2:入学して)

淑徳大学総合福祉学部社会福祉学科教授  柏女 霊峰

2.社会福祉士をめざして

社会福祉学科では、社会福祉士国家試験受験資格の取得を目指して、1年次から専門的な学びが始まります。

講義と演習が中心で、特別養護老人ホームの実習もあります。

Aさんはこれらの学びを進めるとともに、アドバイザーの教員から紹介された児童相談所一時保護所の夜間指導員を始めました。

そこでは、虐待を受けて家庭から引き離された子どもたちを始め、毎日20-30人の子どもたちが2か月を限度として生活していました。

Aさんはその支援体験のなかで、ますますこうした子どもたちの援助に携わりたいとの気持ちを強くしていきました。

2年次生の後期、3年次生からの社会福祉専門研究Ⅰ(ゼミナール)の選考があり、Aさんは、子ども家庭福祉のゼミに入り、子ども家庭福祉を専門に学んでいくことにしました。

 

3.ゼミナールにおける学び

3年ゼミでは同じ思いを持つ15人の仲間が集い、それぞれが自分の目指すテーマの下、レポートを作成し、検討テーマを設けて小グループ討議を進めます。

授業では、児童相談所や児童養護施設などの現場の視察も行いました。

ゼミの年間計画と全員の報告テーマは以下のとおりでした。

Aさんは「児童相談所における被虐待児童の心のケアサービスの今後のあり方」をテーマとし、自分と似た分野を学ぶ仲間に共感するとともに、別のテーマの報告と討論に目を開かされた思いをすることもありました。

ゼミ合宿で、先輩の卒論中間報告を聞いたことも新鮮でした。と同時に、自分もあんな風に作成していけるのか不安にもなりました。

夜の懇親会で先輩の話を聞きながら、児童分野に進む自らの気持ちも固まっていくこととなりました。

その間もAさんは社会福祉士国家試験受験資格を得るための指定科目の履修も進め、8月には、児童養護施設に実習に行きました。

そのことは、自らの将来への思いを決定的にし、児童相談所一時保護所の夜間指導員も続けていたので、児童相談所職員(児童福祉司)として生きていくことに決め、地方公務員福祉職試験を受験するための準備も進めていくこととしました。

 ゼミの年間計画表

1 社会福祉専門研究Ⅰ、Ⅱ年間計画

 

ゼミ活動の様子社会福祉専門研究小グループ討議風景

 

入学して編 終了 

「子ども虐待の理解と対応」について学ぶ―ある高校3年生Aさんの場合(その1:入学まで)

淑徳大学総合福祉学部社会福祉学科教授  柏女 霊峰

 はじめに

大学で学ぶ目的は、自らがめざす生き方・職業を実現するための基礎的資質を高めることと、これからの人生で出会う様々な困難を切り開いていくための生きる力を養っていくことの2つがあります。

 社会福祉学科においては、前者については、社会福祉士や精神保健婦福祉士の国家試験受験資格や教員免許を取得することなどが挙げられます。

後者については、3年次生から始まる社会福祉専門研究Ⅰ-(ゼミナール)や総合課題研究等があります。後者においては、自ら問いを立て、その問いに対する先行研究を調べ、仮説を立て、その仮説を検証するための調査やインタビューを行ったうえで、自らの回答を得ていきます。

こうした一連の作業が、卒業後の人生で出会う様々な疑問や岐路の克服に役立つのです。

ここでは、オープン・キャンパスで「子ども虐待の理解と対応」の模擬授業を経験したひとりの高校3年生Aさんの歩みを、大学における4年間の学びを中心に紹介することにします。

Aさんの後に、多くの方々が続いてくださることを願っています。

 1.オープンキャンパスでのテーマとの出会い

令和元年623日、淑徳大学総合福祉学部第1回オープンキャンパスが千葉第一キャンパスで開催され、高校3年生とその保護者を中心に約700名が参加しました。

そこで、私は、社会福祉学科の模擬授業を行いました。

テーマは、最近、衆目を集める子どもの虐待死亡事件が起こっていることを考慮し、「子ども虐待の理解と対応」として45分間の授業を行いました。

Aさんは社会福祉全体に関心があったので、この授業に参加しました。

 2019OC













  

   


 淑徳大学総合福祉学部第1回オープンキャンパス風景


 2019OC模擬授業教室

社会福祉学科模擬授業案内



 2019OC模擬授業の様子





 









      

   模擬授業風景


  


そこでは、昨年3月の東京都内の死亡事例、今年1月の千葉県内の死亡事例、同6月の北海道における死亡事例を紹介しつつ、子ども虐待の定義や発生件数、発生機序や虐待が子どもに与える影響などについて資料を基に学び、子ども虐待に対する制度や援助の現状などについて学びました。

最後に、子ども虐待の通告はすべての国民の義務であること、そのために、「189(いちはやく)が短縮ダイヤルとして設定されていることを知りました。

 Aさんは、こうした困難な状況におかれた子どもたちや家族の相談援助を行いたいと心に決め、淑徳大学総合福祉学部社会福祉学科に入学しました。

入学前編 終了