2014年10月5~6日 「鏡ゼミケーススタディ・いわき勿来地区合宿視察 」

2014.10.5・6  鏡ゼミケーススタディ・いわき勿来地区合宿視察

【目的】

東日本大震災及び東京電力福島原子力発電所による事故で被災した地域の今日の状況と復興について、現地及び現地でNPOとして復興支援に尽力している人々から学ぶ。さらに、復興の象徴として活力あるいわきをいち早く目指したスパパリゾート・ハワイアンス現地視察を行う。

【概要】

1.いわき市岩間地区視察

いわき市勿来は、白川、根津と並ぶ日本三大奥州関の一つ。そのいわき市岩間地区では94世帯が被災。そのうち10世帯が同地域で住宅を建設。13世帯が高台移転(小原地区)約70世帯は地区外移転。町が壊れた。




2.いわき市は、福島第一原発から40キロにある。259世帯の双葉町仮設住宅がある。

放射性物質拡散により川内村、双葉町、大熊町、楢葉町、浪江町、広野町、富岡町、葛尾村の8町村へ避難命令が発令されいわき市にも避難者が生活している。したがって、いわき市の人口は2013年1月1日現在329,822人であるが、原発事故   後避難地域からの人口流入が続き人口は増えている。しかし、住民登録はしていない。避難指示地域の避難所や復興住宅に住所を置いておく事によって、補償の対象となる事も要因の一つ。



3.いわき勿来サポートネット
この地に育った仲間を支援をするのは当然だ。その意思が勿来地区復興災害ボランティアセンターを発足させた。そこでは、行政よりも早く、各地からのボランティアの受け入れを行った。ボランティア希望者受入数は、4300人。センターでまず取り組んだのは、区長等に協力を求めて地区の名簿作りを行った事。自治体は非常時にもかかわらず、名簿の開示を拒んだ。そこで、自分たちの力で作り上げた。


 

4.今後の心配

・津波被災者

(1)  借り上げアパートの補償期間

(2)  災害公営上宅の入居

(3)  生活再建への道のりと資金

(4)  隣組の絆の崩壊

(5)  安心安全の担保

(6)  高齢者だけが残る町への不安

・原発被害者

(1)  補償漬けの脱却

(2)  労働意欲の低下

(3)  離散した家族の修復

(4)  被害者意識からの脱却

5.災害公営住宅区画整理事業

高台に約3億円をかけた100戸の区画整理事業により住宅を整備予定。これは国の事業費によって県が実施。しかし、移転を希望しているのは13世帯。

6.就職に関する募集は、常にある。しかし、希望と需要のミスマッチがある。特に土木工事系の仕事は多いが、事務職等の仕事は少ない。また、原発補償のある人々は、働くと補償費から収入分を引かれていたので、特に勤労意欲が薄かった。

7.翌日は、福島の復興の象徴であるスパリゾートハワイアンズに行った。常磐炭鉱閉山に伴う人員整理を少しでも食い止めるために、常磐ハワイアンセンターを作った。構想当時は、「福島でヤシが育つか」と馬鹿にされたが、今日事業は軌道に乗った。街づくり新しい形であった。さらに、映画「フラガール」のヒットや東日本大震災時の全国行脚などで、スパリゾートハワイアンズとフラガールは、復興の象徴として、全国にその名が知られた。



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