コミュニティ研究Ⅱ「地域活性化コース」ゲスト講師による講演(担当:芹澤高斉教授、八田和子准教授)

 コミュニティ研究Ⅱの地域活性化コースでは、6月4日(金)4時限に、最年少で銚子市観光大使となった和泉大介さんにご講演いただき、学生16名が参加しました。和泉さんは高校時代に、脱線事故により経営難に陥った銚子電鉄の危機を救うため、同級生とともに様々な広報活動を行ないながらクラウドファンディングで約500万円を集めました。銚子電鉄を救ったこの取り組みは大きな注目を浴び、全国放送のテレビ番組でも取り上げられました。授業では、そのときの映像も見せていただきましたが、いかに大きなインパクトを周囲に与えたのかが伝わってきました。「銚子愛」を確かなものにした和泉さんは、大学進学後も地域やまちをテーマにイベントや情報発信を行うサークルに入って活動する中、銚子電鉄から推薦を受けて銚子市の観光大使を務めることになります。そして卒業後は日本各地の景観や文化を守る運動を行っているNPO法人に就職して活動の幅を広げていきます。さらに和泉さんは昨年4月に麻布十番に株式会社ReRAIL(リレイル)を立ち上げます。緊急事態宣言が発令されている中で、何か東京で銚子市のことを発信できないかと考え、まずは銚子のサバを使ったサバサンドのテイクアウト販売を行いました。すると地域の方と銚子について語るきっかけができたり、銚子電鉄のぬれ煎餅を買ってくれるお客さんがいたりしたそうです。今回のチャレンジが銚子市に親しみをもってくれる人を増やすことにつながったことを実感した和泉さんは、知人とともに川越と銚子をテーマにした飲食店を銀座に開いたり、女性をターゲットにした低アルコールの地ビールをOEMで製造したりするなど、銚子市の魅力を発信するための様々な活動を展開してこられました。
 和泉さんは、「地域の課題とは何か」という根源的な問いに向き合いながら、いかにすれば若者が地域への帰属意識を高め、地域社会の担い手となる未来を築いていけるのか、ということを常に考え、行動してこられています。会社の立ち上げや飲食店の経営といった活動のおおもとにはいつもそれがあるのだということを熱く語ってくださいました。
 講演をきいた学生は、和泉さんの行動力に圧倒されつつ、地域の課題解決のあり方や和泉さんの生き方、そして行動の原動力について率直な質問投げかけていましたが、和泉さんはこれに丁寧に答えて下さいました。最初から最後まで、和泉さんの銚子を思う熱い熱気に包まれた授業でした。学生たちと年齢が近い和泉さんの講演は、学生たちにとって大いに刺激になったようです。貴重なお話をしてくださった和泉大介さんに、心より御礼申し上げます。(文責:八田・芹澤)



2021年10月

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